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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2011

松山英樹さんは21位に

全員参加の表彰式に参加して、改めて今年の快挙の数々を大観衆の前で讃えられた松山さん
初優勝者が10人も誕生した2011年。トッププロたちを戦々恐々とさせたという点でも、ひときわその存在が際立ったのが、松山英樹さんだった。

今年4月のマスターズで日本人として初のベストアマチュアに輝くなど、その実力はすでに折り紙つきだった。

もはや、松山さんをただの19歳のアマチュアだと思っているプロは一人もおらず、快挙の瞬間も、ツアーでいつ勝ってもおかしくなかったといったプロがほとんどだった。

それでもやっぱり先月の三井住友VISA太平洋マスターズでの、史上3人目のアマチュアVは劇的で、まだ全く未定とはいえ本人も、近い将来のプロ転向を見据えていれば、ひとりのツアーチャンピオンとして堂々と初舞台を踏んだこの今季の最強選手決定戦で21位に終われば、「不甲斐ないプレーが続いた」と、悔しがるのも当然だ。

3日目が悪天候によるコースコンディションの不良で中止となり、54ホールの短期決戦となれば、首位と5打差で迎えた最終日はなおさら大きなスコアが必要な日に、一進一退が続いたばかりか、11番では右に曲げたティショットがどうやら木に引っかかって落ちて来ずにトリプルボギーを叩いた。

「今日いちの当たりだったのに」と、せっかくのショットも結果は大ミスとなれば「動揺しちゃった」と、そこですっかり脱力した。

挽回の機会も見あたらないまま失速して、「調子に乗れば、こういうことになるんだぞ、ということですね」。

ツアー初優勝を上げてから、「少し浮かれていたかもしれない」と反省しきりで振り返った松山さん。「やろうとしたことが悪いほう、悪いほうに行って、最後までうまくいかなかった」。
全力プレーのさなかには気付かない。アマチュアの試合を1試合挟んでツアー4連戦の疲れはやはり、体の奥底に眠っていて、「いま、最終ラウンドが終わってから疲れが出てきた。体力的にもまだまだきついのかな」と、4月のマスターズ後に厳しいトレーニングに励んでもなお、課題も山盛り出てきた。

「それと必要なのは、ドライバーの精度とパッティング。練習します。もっとレベルをあげなきゃ勝負にならない。この3週間でよく分かりました」と、キリリと前を向いた。

来年4月には、再びオーガスタに立つ。2年連続のマスターズは「これだけ調子に波があると通用しない。マスターズに間に合うようにまた練習していきたい」。石川遼の無二のライバルが来年もまた、どんな雄姿を見せてくれるか。

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