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カシオワールドオープンゴルフトーナメント 2011

鈴木亨は「日本一の夢がある」

94年から18年の賞金シード権保持は、シード選手の中で最長記録だった。46歳にとっても、誇りであった。
「でも、終わるときはあっけない」。73位タイで予選落ちをした鈴木の現在の賞金ランキングは77位。決勝ラウンドに、残れないとあってはもはや、来季のシード権が与えられる上位70人に食い込むチャンスさえ、途絶えた。

今季は、開幕前に首のヘルニアを患ったことが、最大の原因だった。
「そういう状態で戦うには、甘い世界ではなかった」と、これだけひどい怪我は、89年のプロ入りから初めての経験で、思い知らされた。

懸命の治療でようやく回復傾向も、それが秋を迎えるころでは遅すぎた。
2週前の三井住友VISA太平洋マスターズでは、初日、2日目と首位にも「気持ち的に追い込まれているから、良いプレーが出来なかった」と、結局3位タイは、出遅れた分を取り返すまでには至らなかった。

勲章をひとつ、失って改めて思う。「プロは勝って、目立ってナンボ」。予選落ちをして、シード落ちが決まって、なお大勢の報道陣に囲まれれば、なおさらだ。

危険信号が灯り出したときから、決めていた。
「QTにはいかない」。来季の出場優先順位を決める次週のファイナルQTはあえて蹴って来季は、1回1年限りで行使出来る生涯獲得賞金ランク25位内の資格でツアーに出るつもりだ。

あと4年あまりで50歳。「シニア入りまでに、やり残したことがまだあるから」。このプロ23年で、何度も手が届きそうで届かなかった日本タイトル。
「日本プロでも、日本オープンでも。何らかの形で、日本一を獲ってみたい」と、それをひとつ大きな目標に、2012年は気持ち新たに出直すつもりだ。

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