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日本オープンゴルフ選手権競技 2011

手嶋多一は「よく耐えた」

昔なじみと佐藤(右)との同組対決に刺激を受けて踏ん張った!
3日目に、同組で回ったふたつ年下の佐藤信人は、ジュニア時代からしのぎを削り、また、デビュー後しばらく揃って出場権がなかったころに、一緒にアジアンツアーを回った。

佐藤が今季3戦目を迎えた今週も、久しぶりに練習ラウンドを共にした。
日本オープンは通例として、決勝ラウンドで2人1組のツーサムで回る。

その相手が大親友の佐藤という巡り合わせに、「手嶋さんと、リラックスして回れた」と、佐藤も喜んだ。
手嶋が、今季シード権の確保に苦戦していることももちろん、佐藤は知っていて、「手嶋さんはもともと、そういう危機的感情は出さないけど、今日のゲームを見ても、苦労しているとは思えない。いつもどおりの“手嶋多一”。大丈夫だと思います」と、旧知の仲に太鼓判を押されれば、勇気もわいてくる。

「僕も、信人につられた。すごい良いゴルフをしていたから」と、手嶋もこの日は耐えて1オーバーは通算1アンダーの4位タイに留まって、ほっと胸をなで下ろす。
17番で、10メートルもあろうかという長いバーディパットもねじ込んで、冷静沈着な選手には珍しくガッツポーズも飛び出した。

「普通だと、4オーバーとか、5オーバーとかするところだけれど。よく耐えられた。信人について行こう、と思った結果ですね」。

もともと大きなことを言う選手ではないあたりも佐藤と共通するものがあるが、通算6アンダーまでスコアを伸ばしたリーダーの、ゴルフを間近で見たこともあって、本人は欲張らない。
「優勝は、信人ですね」と、自分はまるで蚊帳の外で、「今年、自分は調子も良くなかったりしたから、まずは一つでも順位を上げることと、上位を目指して」。
このゴルファー日本一決定戦は、2001年の歴代覇者も、今回のV争いはひとまず、シード権の確保を目標に戦うつもりだ。
最終日の16日日曜日は偶然、43回目の誕生日に、自分に大きな贈り物が出来るか。

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