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ANAオープンゴルフトーナメント 2011

片山晋呉が4位タイ浮上

大本命が、16歳の背後にじわりと詰め寄った。過去5度の賞金王が、復活Vもにらめる位置まで上がってきた。

ツアー通算26勝の永久シード選手が、勝てば3年ぶりの勝ち星に苦笑しながら「どじょうのように、泥に潜っていましたから」と、今月発足したばかりの“野田内閣”をもじった時事ネタで、苦笑い。

創意工夫はツアー1と言われる選手が今週からトレーニングの方法も、スイングも、「昔のに戻した」という。ちょうど、2006年は4度目の賞金王に輝いた当時よりもさらに以前のスタイルだ。

マスターズでの活躍を目標に、ドローボールの習得に踏み切ったのがそのころ。
「ゴルフをしていても、その球筋のほうが気持ちはいいんです。でも、その先のボールのコントロールが出来ない」。
不屈の精神で、それを承知で取り組みを続けてきたが、ついに「諦めと悟りが来た」という。

「球筋も、素振りも前のに戻しました。これ以上、ストレスを感じたくなくて」。
2009年にマスターズで日本人最高の4位に入った直後に「以前のような情熱を感じられなくなった」と、燃え尽き症候群にかかった。
当時の精神状態と比べたら、「今の方が全然ましとは思うけど」。
以前のように、ガツガツと次の27勝目を獲りに行く気持ちまで取り戻せたわけじゃない。

「でもフェード目に戻したら、すごく良くなったのでね。調子は良いので、僕のほうにコロっと転がってくれたら」と、どちらかといえば果報は寝て待ての心境で挑む。
「一番後ろで回る人が、一番いやでしょうから」。最終日はひとつ後ろの組で、賞金王が静かに戦況を伺う素振りは、それだけでもリーダーには大きなプレッシャーになるはずだ。

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