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東建ホームメイトカップ 2011

石川遼は単独3位に

被災地にも届いただろうか。大会最多の1万9021人のギャラリーの、地鳴りのような歓声が。19歳の、渾身のガッツポーズが。最終18番は、手前20ヤードのアプローチをサンドウェッジで直接入れた。
「練習どおりに打てたことが嬉しかった」と、思わず歓喜のジャンプは真っ赤なキャスケット帽に、ひっかけていたサングラスさえ宙に飛んだ。19歳らしい無邪気さで、喜びを全身で表現した。
沸き起こる大歓声に、弾ける笑顔を振りまいた。

しかしあとから冷静になって、「余計なことをしてしまった」と、青ざめた。
このチップインバーディで、18番は大いに盛り上がったが「あれを入れても、優勝ではなかったのに」。
あれほどの興奮の渦の中で、あとからウィニングパットを決めた高山の心情を気遣って、思わずそんな言葉をつぶやいた石川だった。

前の17番に続く連続バーディで、「1日4つ」のノルマは達成したが、開幕戦Vには3打足りなかった。憧れの片山との初の最終日最終組は、序盤から躓いた。
得意なはずのドライバーが、制御不能に陥った。左右に散らばり2番、4番でティショットを池。3番を含む3連続ボギーで、失速した。

前日初日は、誰もがスコアを崩した強風下で69をマーク。
「昨日までのプレーの感触としては、今日のような前触れはなかったのに。これがゴルフの難しさ。常に予想しないことが起こってしまうのがスポーツであり、それを受け入れていかないといけなかった」と、悔やむ。

「18番に来た時点で優勝のチャンス、でなければいけなかったのに。最後は入れたけど、それでも勝てなかった。期待してくださった方にとっては盛り上がりに欠けましたね」と、うなだれた。

それでも、約2ヶ月の米遠征から帰国直後の第1戦で、しかも練習ラウンドなしのぶっつけ本番での最終日最終組。今年の獲得賞金の全額と、1バーディにつき10万円を被災地に送ると決めて迎えたジャパンゴルフツアーの開幕戦で、単独3位。

最後の劇的バーディも含めて19歳の熱い思いは確かに東北にも届いたはずだ。
「ジャパンゴルフツアーは始まったばかりですが、被災者の方々の戦いも始まったばかりです。これからもみなさんのために、順位とか、バーディをたくさん取っていきたい。頑張りたい」。共に歩んでいく決意を再び新たにしていた。

  • 連日、会場で募金を呼びかけた選手たち。「+@」の義援金は約1500万円にのぼりました。たくさんのご協力を、ありがとうございました。

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