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関西オープンゴルフ選手権競技 2010

恩返しのツアー通算3勝目を狙う、谷口拓也(3日目)

最終18番は、この日最大のピンチ到来。しかし、根っからのプラス志向で明るく乗り切った。大きく右方向へ曲げたティショット。ボールに向かってリーダーが叫ぶ。
「行け、もっと行け!」。
そのルートなら、中途半端にフェアウェイを外すよりも、いっそ10番ホールのほうまで行ってしまったほうが「使えるんです」。

果たして、隣のラフからフェースを開き、高く打ち上げた木越えの9番アイアンは、グリーン奧のカラーにしがみつき、ピンチは一転、絶好のチャンスへ。
惜しくも外したが、パーを拾った。
1打のリードを守り、いよいよ最終日は初優勝の2004年アイフルカップ以来、自身2度目の最終組で迎える。

額にこぼれる汗も生き生きと「ワクワクします」と、谷口。
昨年は、トレーニングの失敗から21試合中予選通過はわずか3回という苦しみを味わっただけに、陽の当たる場所に戻って来られたという喜びと興奮が、ほとばしる。

この関西オープンが、今年76回の長い歴史を持つということもモチベーション。「古いトーナメントで勝つことは、ゴルファーとしての誇りです」と、胸も躍る。

そしてドン底のときも、変わらない声援で支えてくれた人たちへ。
「去年はメーカーやスポンサーの方々にほんとうに迷惑をかけたので。勝って恩返しがしたい」。
いよいよ最終日は感謝の18ホールだ。「前向きな気持ちでやれば、必ずチャンスはあると信じてやる」。

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