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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2010

池田勇太が首位キープ

早朝に豪雨をもたらした低気圧が去ったと思ったら、今度は嵐のような猛烈な突風だ。14時までの最大瞬間風速は11.5メートル。牙を剥いたのは、ちょうど正午過ぎ。湿気をはらんだ生ぬるい強風が、選手たちをもてあそぶ。
ショットのみならず、グリーン上のボールが持って行かれて泣いた選手も。

池田の最終組がスタートしたころは、まだ穏やかな晴天模様だった。それでなくとも1番からティショットを左に曲げて崖下に落とし、1.5メートルのパーパットをからがら決めた。

3番も左へ。奧のラフに運び、2メートルのパーパットに狙いをすましたそのときだった。ふいにグリーン上にバラバラと降り注いだ木の葉。風に翻弄されて、くるくると舞った。

その中でのパーセーブ。次の4番は、ジャストサイズのキャップすら、飛ばされそうで逆向きに被ったほど。右の林に入れた2打目は脱出に失敗し、202ヤードも残った3打目は、強烈なアゲンスト。4オン2パットのダブルボギーを打った。

この時期の東京よみうりとは真逆の南風にも苦しんだ。一度は首位を明け渡して沈んだ。

「後半に良いバーディが3つ取れたが、この凄い風の中で、それ以外のパーを本当によくしのいだと、そういう風に思います」。最終18番パー3も、ラフからパーを拾い、難コンディション下で69のカムバックは、前日初日の63と同じくらいに充実していた。

まだ風のないうちに、最初の9ホールをすっかり終えていた石川遼。条件が違ったとはいえ「それにしても、このコースで8アンダーは素晴らしい。遼はやっぱり、何かしら持っているんだということを、見せつけられた」といつものように、ライバルをたたえることも忘れず、「俺も、明日から残り36ホールのモチベーションになるような、今日のバックナインにしたい」と、ますます気持ちも高まる。

逆転・賞金王へ、勝つしかないという条件の中で、2位と3打差の単独首位を守って「1打でもリードしておくことが、自分にとって有利なことには違いない」。週末こそ金を、石川を、さらに突き放していつもの常勝ムードに持っていきたいところだ。

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