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三井住友VISA太平洋マスターズ 2010

賞金ランク2位と3位が激突・・・!!

現在、賞金ランク1位の金庚泰(キムキョンテ)を追いかける2人が、揃って首位タイに浮上した。ランク2位の石川遼と、同3位の藤田寛之が、通算9アンダーで並んだ。

石川は、大事なこの時期にもかかわらず、先週の世界ゴルフ選手権「HSBCチャンピオンズ」から帰国するなり、スイング改造に踏み切った。

タイガー・ウッズにヒントを得て、ボールを左寄りに、体の回転で打つという新スイングは、「練習場では出来るがコースではまだまだ修正が必要」と反省を口にしながらも、この日はここ御殿場の自己ベストとなる65と、爆発した。

前半の8番はエッジから、ウェッジで入れた。9番ではバンカーから直接決める連続チップイン。本人も思いがけない出来事に、「僕にしてはショートゲームが良くて。出来過ぎかな」と、照れ笑いの万歳ポーズも普段よりは、ちょっぴり控えめ。

9ホールのパット数は、それまでの自己ベストを2つ縮める「8」をマークして、ハーフ30で折り返すと一転、後半は伸び悩み、最後18番はパー5のチャンスホールでも、奧のカラーから3つもかかって取り逃がした。

「ツメが甘い」と悔やんだが、「でもかえって気が引き締まった終わり方」。ひとつの戒めと受け止めて、その分16番からの残り3ホールでは思いどおりのショットが出来たという確かな手応えを大切に、最終日へとつなげる。

予選ラウンドを回った今田竜二が「一昨年、初めて一緒に回ったときは何がなんでもドライバーで攻めていた感じだったが今年はアイアンで、刻む場面もあって。遼くんの変化」と、言っていたとおり、この日も今年から新たに投入した0番アイアンで攻めてチャンスを作ったホールも多い。

本人は、「まず、ドライバーでと考えるのは、いまも変わらない」としながらも、「ホールによっては距離が残っても、フェアウェイに置いたほうが良いと判断したところなどは、これでいいと決めて打てている」。
攻め方のバリエーションが広がったことで、迷いが減った。バーディを量産した理由のひとつでもある。

2年連続の賞金王を狙う、と公言したからには「ここで優勝争いをして、勝つことがどれだけ大事なことか。自分が一番分かっていること。百も承知です」と、石川。

「だからこそ、自分がやるべきことを絶対に見失わないこと。簡単そうで、でも非常に難しくて大きなこの課題をクリア出来ればきっと、良い結果が待っていると思うし、そう信じてやるしかない」。
強い信念で、頂上に向かって突き進む。

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