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ANAオープン 2010

QT組の河野晃一郎が2打差のチャンス

最終18番で、奧から1メートルのパーパットをしのいで、爽やかな笑顔を振りまいた。歓声に応え、帽子を取って律儀にお辞儀。「いや、もう、僕のような選手には、最高です。出来過ぎです」。
報道陣に囲まれて、「ここに呼ばれること自体、あり得ないです」。
この日は特に、午後から強風が吹き荒れる中、「とにかく、ボギーを打たないようにするので必死で」。

その時点では、トップでホールアウトする活躍も、自分の順位を確認する余裕はほとんどなく、66の6アンダーは、池田勇太と並んでベストスコアをマークしてなお、「自分が上のほうにいるな、とは思っていたのですが。目の前の1打に集中していたら、こうなっただけなんで」と、恐縮しきりで頭を下げた。

父・晃さんの手ほどきで中2からゴルフを始め、宮里優作や、ジュニア時代は怪童と呼ばれた清田太一郎らとは、同学年。
しかし、ゴルフ推薦で入った東洋大ではさしたる実績も残せなかった。
「彼らに追いつくには、やっぱり一番レベルの高いところでやるべき」と、一念発起。卒業してすぐに、アメリカはサンディエゴに渡って4年間、ミニツアーで腕を磨いた。

いずれも賞金2000ドル前後の小さな大会だったが、4勝の経験もあり、「特にグリーン回りのアプローチは、得意なほうだと思う」というように、洋芝での対処法は心得ている。

通算7アンダーは、首位とわずかに2打差で最終日を迎える。
ファイナルQTランク40位の資格で、今季本格参戦の29歳が、最終日を前に大きなチャンスを迎えている。

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