コカ・コーラ東海クラシック 2009

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石川遼が今季4勝目、獲得賞金は1億円超え

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  • 日本コカ・コーラの魚谷雅彦・代表取締役会長から着せかけられたウィナーズジャケットで、この日の勝負服が完成された!!
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  • 最終18番でピンそば50センチにつけて決着をつけて、ガッツポーズ!
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  • ツアー通算6勝目も専属キャディの加藤大幸さんと健闘をたたえ合う・・・!!
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  • 表彰式で、大会主催の東海テレビ放送の石黒大山・代表取締役会長から受けた優勝カップをチャンピオン自ら真っ直ぐに持ち変える心配りを見せて・・・
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  • 優勝副賞は今年2台目の車となるトヨタのプリウスとアクエリアス2009本。「これからも、コカ・コーラ製品を精一杯アピールしていきます!」と石川

主催のコカ・コーラとスポンサー契約を結ぶホストプロが、表彰式で真っ赤に染まった。18歳の勝負カラーは、今大会のテーマカラーでもある。この日選んだパンツと、サンバイザーと、そして、魚谷雅彦・代表取締役会長に、最後に着せかけられたジャケットももちろん赤。

「チャンピオンブレザーを着て、全身真っ赤になれたというのは、この上ない嬉しさです」と、さらに頬をほんのりと紅く上気させ、「昨年は、予選落ちをしたこのホスト試合で今年は壁を破り、しかも優勝することが出来るなんて。本当に鳥肌が立つ思いです」と、声も上ずる。

もっとも1年越しの恩返しは「誰にも書けないシナリオでした」と、本人も苦笑いで息を吐いたほど。賞金ランク1位の石川と、2位の池田勇太の直接対決に38歳の梶川剛奨が加わって、毎ホールで首位が変わるめまぐるしさ。

まさに、筋書きのないドラマの主人公は、駆け付けた1万2814人の大ギャラリーと、会場に居合わせた関係者ほか、テレビの向こうで固唾を呑んで見守る日本全国のゴルフファンを興奮の渦に巻き込んで、自作自演の大波乱を演じきった。

その幕開けは、1番でグリーン奧からのチップイン。続く2番での連続バーディは、まだほんの序の口だった。前半3バーディで、一度は最大3打差つけて突き放したが、ハーフターンで物語は急展開した。

10番で右にOB。「その前からこすり球というか、スライスの球が出ていて。そのひどいのが、とうとう出た」と、ダブルボギーで自ら混戦に足を突っ込んだ。
そこから残り9ホールのスコアカードはまあ見事な出来で、「自分でも、可笑しくなっちゃったくらいで」。
特に上がり5ホールは、「今日2個目のダボのあとイーグル、ボギーにバーディ、バーディ・・・。最後は必死にスコアを数えて、本当に合ってるかと何度も確認しましたよ」と、怒濤の1日を振り返った本人すら呆れるドタバタ劇に。

しかし、どんなに窮地からでも勝利をもぎ取る。そこにこの驚異の18歳の真骨頂がある。
14番パー4は、サンドウェッジで65ヤードのアプローチに失敗した。さらに「気負ってしまった」と、奧から3メートルを3パットした。こんな大事な場面でするいわゆる「素ダボ」は、石川でなくともどんなベテランプロにとっても「心のダメージは大きい」はずだった。
梶川と、池田にみすみす許した2打のリードも「重くのしかかっていた」。

そのまま押しつぶされてしまっても、ちっともおかしくはない状況で、石川はなお思うのだ。
「負けることは頭になかった。むしろアグレッシブな気持ちがわいてきた。負けん気だけは強く持って、負けないためにはどうするかを、必死で考え続けた」と。

すぐあとの15番パー5は「今シーズン一番」と本人も納得の342ヤードドライブ。残り220ヤードは4番アイアンで、ピンそば1.5メートルのイーグルを奪い返したのも神がかり的なら、最終組の3人が、揃って首位で迎えた最終18番も、むしろ平凡なドラマならありえないクライマックス。

まして、誰もが手に汗握るこの場面で非凡な18歳は、188ヤードの右のラフから、右の池の縁ギリギリに立つピンそばに、手前50センチという仰天のエンドマークで締めくくってみせるのだ。

アゲンストの風に、フライヤーを計算した巧妙なこのショット。「でも実は5、6ヤード左のセンターを狙ったつもりだったんです」と、正直に打ち明けた。
「それがなぜか、不思議と落ち際で徐々にピンに向かってフェードしていったんです」と、奇跡の1打も絶対に、自分だけの手柄にしない。
「あれは僕の気持ちじゃない。応援して下さったみなさんの気持ちが強かった証拠なんです。だからあんなに近くに寄ってくれたんです。ギャラリーのみなさんの気持ちがあそこにボールを導いてくれました」との心ニクいコメントに、溢れんばかりの感謝の気持ちを存分に盛り込んでみせるのだ。

日頃の血の滲む鍛錬で競り勝ってなお「紙一重の戦いだった。最後のバーディというよりも、71ホールで積み重ねた1打が生きた」と謙虚に、梶川と池田の戦いぶりを称えることも忘れず、また10番のOBや「17番、18番のティショットには不満がある」と反省し、今季4勝目にも奢らずに「今後の課題が出来ました」と、立ち止まることを知らない。

これで獲得賞金は、史上8人目となる2年連続の1億円を突破した。
そして史上最年少の賞金王へ。またひとつ、前進したが次週は、米国と国際連合の対抗戦「プレジデンツカップ」でひとまず日本を空ける。

本戦ではオバマ大統領の来場も予定されており、まさに世界中から注目を集める大舞台で、あのウッズと対戦する可能性も十分にある。
「もしそうなったら・・・」と、夢見るような顔になった。
「選抜メンバーの一人として勝つことを目標に、全力を尽くします」。
1998年と2000年の同大会で、やはり国際選抜の一員としてウッズを打ち負かし、また98年にはMVPにも輝いた丸山茂樹の伝説を励みに「ゴルフって、何があるか分からないスポーツですから」。そんな常套句も石川にかかると、なんだか妙に新鮮で、説得力がある。

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