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サン・クロレラ クラシック 2001

「最後まで、風が吹いてくれたらいい」

アジアのツアーで腕を磨いた田島創志

 石狩川からの強風に加え、横殴りの豪雨をもろに受ける、スタートの1番ホール。
 ドライバー→3W→5Wでつないでも、グリーンには届かない。手前バンカーからのアプローチを1メートルに寄せたが、外してボギーとし、「超難しい!!」と最初は動揺したが、次第に雨が小降りになってくると、「雨は嫌いだけど、風が好き」という田島にとって、好条件が整った。
 ゴルフを覚えた地元・群馬県の美野原GCも、冬には、会場と同じような強風が吹く。
 「いや、むしろ美野原のほうが、重い風。からっ風と言っていい」
 そんな条件下で、父・準一さんの手ほどきを受けながら、「時には風にぶつけたり、時には風に乗せたり」、自然と身に付けた攻略法を駆使すれば、「自分は、現状維持でも順位が上がってくる」と、田島は読んだのだ。

 「こんなに激しい風の中では、ノーマルショットは通じない。僕は、高い球は打てないけど、今日みたいなコンディションなら、高弾道も必要ない。だから今日は、ショットメーカーの人よりも、僕みたいな感覚派のほうが有利なんじゃないか、と思ったんです」
 持ち味の低い弾道を最大限に利用して、コースを攻めた。
 風の影響を受けやすいグリーン周りも、アゲンストアプローチを残すように心がけ、「風の頂点にボールをぶつけて、そのまま落とす感覚のロブショット」を多用してチャンスを伺い、この日奪ったバーディは4つ(1ボギー)。
 スタート前、仲間と話した「こんな日に、60台出せたらすごいよね」との言葉をほんとうにやり遂げて、「自分でもびっくり!!」と、眉尻を下げた。

 今季、ファイナルQTランク53位の資格で、初のツアー本格参戦。
 出場権のなかった昨年1年間は、アジアのツアーで腕を磨いた。
 3日目、単独トップに立ったフィリピンオープンも、強風下でのラウンドだった。
 「でも、最終日は風が止んだから結局、13位まで落ちちゃったんです(笑)」と笑って、「やっぱり僕は、風が吹けば吹くほどいい。今度こそ、最後まで風が吹いてくれたらいいな」と、田島は、どんより曇った石狩の空を見上げていた。

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