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日本プロゴルフ選手権 2008

合田洋が3年ぶりの舞台で

94年大会のチャンピオン。最終18番で、バンカーからパターで打つ奇策であのジャンボ尾崎を下した男が、3年ぶりに帰ってきたプロ日本一を決める舞台で4日間を戦い抜いた。

足の怪我でツアーの出場権を失ったのを機に、自動車部品製造の大伸工業株式会社(東京都足立区)に就職を決めたのは、一昨年の9月。
いまでは、ゴルフ業界にも進出した同社が発売するウェッジ「バイオレンスツアー」の開発に携わり、奔走する毎日だ。

企画・営業と何役もこなし、事務所ではパソコンとにらめっこ。
移動はほとんど社用車を使うため、「10キロも太っちゃって。メタボに肉体改造です」と、苦笑いで出張った腹をさすった。

会社勤めのほうが忙しく、ゴルフはもっぱら「月1程度」だ。
ほとんど試合感もなくなってしまったとは言いながら、イーブンパー45位タイで予選を突破して、「すっごく疲れたけれど。久しぶりにトーナメントの雰囲気を味わって、プロゴルファーの気分になれました」。
ホールアウト後はサインを求める長打の列。
終始、笑顔でペンを走らせ充実感をにじませた。

一方で、“営業マン”としての自覚も忘れない。
今週の会場にゴルフ用品専門店の「二木ゴルフ」がブースを出していると知るや「うちのお得意先だから。挨拶してこなくっちゃ!」と、すぐさま駆け出す律儀さも。

二足のわらじをはくサラリーマンプロは当面は今大会のように、大会独自の予選会やマンデートーナメントから出場権をにらむ手段を取るつもりという。
「今の事業を軌道に乗せるまでは、仕事に集中したいんです。これまでとはまた違った方面から、みなさんにゴルフの楽しさを伝えることが今の僕の使命。上手に両立させたい」と、話していた。

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