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初のメジャー舞台は目前武藤俊憲、いざリンクスへ!

武藤はいま、済まない気持ちでいっぱいになっている。
全英オープンの日本予選・最終戦だった先月の『〜全英への道〜ミズノオープン』。
横尾要と近藤智弘と、メジャー切符をかけて熾烈な争いを演じた。
開催前の、横尾の日本予選ランキングは実質2位、武藤は3位、近藤4位。いずれも僅差の争いだった。

最終日までもつれこんだ勝負は、武藤が近藤と並んで大会6位、横尾は30位に終わり、武藤が逆転で出場権をもぎ取った。

特に近藤とは、同じ組での直接対決。
いつもは、何やかやと冗談を言って笑わせる近藤が、ほとんど武藤と口をきかないばかりか、プレー中には目も合わせようとしない。
いかに、この勝負に賭けているかが、武藤にもひしひしと伝わってきた。

そして、それは横尾も同じだった。
全米オープンの経験はあったが、全英オープンの出場は初めて。
はじめは「僕が行っても通用しないから」とクールを装っていたが、試合を重ねるごとに次第に目の色が変わっていった。
武藤や近藤に「どう?いま、体調はいいの?」などと、探りを入れてくるほどになっていた。

もちろん、「イギリスに行きたい」という気持ちは武藤にも負けないくらいにあった。
しかし、いざ出場権を得てみると、2人のトッププレーヤーを蹴落としたことへの申し訳なさが募っていった。
「トシぃ〜、年寄りをいじめるなよ」と横尾に冗談を言われ、「すんません」と笑顔で返したものの、横尾の無念さは痛いほど伝わってきた。

「2人の気持ちを考えると、旅行気分では行けません」と。武藤。
「2人の分も精一杯戦って、なんとか結果を残したい」。
出発を目前に控えて、そうやって自らにプレッシャーをかけたほうが「気持ちが引き締まってちょうどいい」と武藤は考えている。

写真=初のメジャー戦に起用したのは、プロキャディのサイモン・コリンズさん(右)。普段は、川原希の専属キャディをつとめているサイモンさんを、今回は武藤が「レンタル」。
コースでルール上の疑問が出来たとき、やはり英語が話せるキャディは心強い。しかも、サイモンさんは全英オープン5回の経験がある。
「サイモンさんに任せておけば大丈夫!」と武藤が言えば、「トシは一人でも十分やれるよ!」と、持ち上げるサイモンさん。早くも息ぴったりでメジャー舞台に旅立つ。

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