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セガサミーチャレンジ 2006

「妻を支えられるようになりたい」。溝渕洋介が2連続優勝の快挙。

兄として慕う芹澤大介と2週連続優勝を喜ぶ
チャレンジトーナメントでの2週連続優勝をした選手は初めて。
2001年に韓国のS・K・ホが5試合で1試合おきに3勝した例はあるが連続はない。
その快挙により、溝渕のチャレンジトーナメント賞金ランキングは、今年絶好調の重原啓利を抜いて首位の座を奪った。

溝渕のツアートーナメントでの生涯獲得賞金は282万円余。チャレンジでも僅かな額。1992年にプロ転向してから最も大きな賞金を、この2週間で稼いでしまった。

優勝した先週は、仲間の芹澤大介と一緒に帰り、お祝いの夕食をご馳走になった。そして翌土曜日は高知の自宅に帰り家族や親戚とのお祝い。共働きで生活を支える妻には「喜んでもらえた」と恥ずかしそうに語る。そして日曜日には所属先のベイシス高知の谷渕社長からもお祝いの会食。忙しい毎日を過ごした。
そしてこの日の優勝で溝渕は、更に「忙しくなりました」と嬉しそうに言う。
それは、つい3週間前までは、チャレンジトーナメント数試合の出場予定しかなかったが、この連続優勝で全てのチャレンジトーナメントへの出場得権、UBS日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズへの出場権、そしてセガサミーカップへの出場権と、溝渕の今年のスケジュールはいっぺんに変わってしまった。

実はこの大会に出発する前の火曜日に、溝渕はプロ入り直前に亡くなられたお父さんのお墓参りをしてきた。
お父さんには「勝ちました」と優勝を報告。
そして乗り込んだ今週の試合で、自身が驚く「まさかまさかの優勝」。
彼のゴルフ人生で衝撃的な2週間となった。

溝渕は帰り支度を終え、祝福の電話が鳴り続ける携帯電話を片手に、芹澤大介の車に荷物を積み込む。そして今夜は溝渕が芹澤にご馳走するといい、芹澤は「めいいっぱいご馳走になる」と仲間の連続優勝を喜ぶ。
溝渕は芹澤を、「真面目で紳士でゴルフ以外でも見習うことが多い」といい、芹澤は「人間的にもいい」とお互いを尊重しあう。

溝渕はこれまでのトーナメント生活を「今までは正直、自信がなかった」と隠さず言う。しかしこの2週間でつかんだものの価値は大きい。来週以降については、「できることをしっかりやっていきたい」と控えめながら確実に成長している自分自身を一番強く認識している。

優勝インタビューで溝渕は共働きの妻に感謝の気持ちを込めて言った。
「妻を支えられるようになりたい。」
38才の遅咲きのプロゴルファーが、チャレンジトーナメントでつかみ始めたチャンスを本当の結果に変えられるかは、溝渕の腕にかかっている。

溝渕洋介のプロフィールはこちら

カニトップ杯チャレンジⅠの溝渕洋介の記事はこちら

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