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久光製薬KBCオーガスタゴルフトーナメント 2004

上がりホールで連続バーディ、試練を乗り越えてつかんだスティーブン・コンランの初V

18番で1.5メートルのバーディパットを沈めて連続バーディを奪い、大歓声にこたえたコンラン。
「勝つためには、とにかく『なんか、やらなくちゃ』と」
上がりホールで連続バーディ、試練を乗り越えてつかんだスティーブン・コンランの初V

風が吹かない日はない、といわれる故郷オーストラリアのコースで磨きぬかれたコントロールショットが最大の武器。強風下のゴルフに、めっぽう強い。

台風16号の影響もものともせずに、混戦模様の中、この日最終日も安定したゴルフを続けていたコンランだったが、首位タイで迎えた16番パー4で試練を迎えた。

フェアウェーから打った第2打は、強風に飛ばされてきたらしい松の枝の上。その枝をよければ、球が動いてしまう可能性もあった。もし動いてしまえばペナルティが科せられる。

競技委員の裁定を受けて仕方なく、あるがままに打った第3打は、寄せきれずにボギー。一歩後退だ。

日本ツアーに来てからの9年間というもの、優勝のチャンスは数え切れないほどあった。だが、いつもあと一歩のところでつかみ取れなかった。そのうち、同年にプロテストに合格したデービッド・スメイルばかりか、あとから日本にやってきたスコット・レイコック、ブレンダン・ジョーンズやポールシーハンら若手選手たちにも次々と先を越されていった。

「彼らは、ちょうど成長期に差し掛かるころに日本にやってきただけのこと」。そう言い聞かせながらも、頭の中にともった疑問符を消すことはできなかった。

「・・・彼らと自分と、技術的な差はないはずなのに。なぜ、自分は優勝できないのだろう?」。

考えても答えが出るはずもなく、その日を夢見てひたすら練習を積むしかなかったのだった。

この日最終日の土壇場のボギーで、専属キャディの西崎将之さんも、「やっぱり、今日もダメなのかな」と、内心は諦めかけたという。

「でも、ピンチを乗り越えて勝った。今度こそ勝機を逃さなかった自分を、誇りに思うよ」(コンラン)。

ボギーのショックをひきずることなく、上がりホールで2連続バーディ。

「とにかく、勝つためには『なんかやらなくちゃ』という気持ちで残りホールにのぞんだんだ。17番で1メートル、18番で残り104ヤードの第3打をピッチングウェッジで1 メートル半・・・。思い通りにプレーできたことが、ほんとうに嬉しかったよ」。

見事な締めくくりは日本ツアーで9年間、辛抱強く戦ってきたまさに集大成だった。

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