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アジアパシフィックオープンゴルフ選手権競技キリンオープン 2000

アジア太平洋地域のNO.1プレーヤーは、片山晋呉に決定!!

 夕暮れ迫る18番グリーン。第2打をバンカーに打ち込んだとき、はじめて片山は、自分がトップに立っていることを知った。2位グループとは2打差。「乗せるだけでいい」。ピンまで6メートルに出し、最後は2メートルのウィニングパット。これを沈めて念願の、地元・茨城弁での優勝スピーチに、遅くまで残って片山に声援を送りつづけた多くのファンが沸きに沸いた。
 雷雨による2度の競技中断に、選手たちがペースを崩す中、片山には、待機中の車の中で仮眠を取る余裕さえあった。

「この大会は公式戦ということもあるし、この試合で勝てば、ワールドランキングのポイントもけっこうあがる、ということもあって、この試合と、次の中日クラウンズで勝ちたいと思って調整をしてきましたので、『ああ、調整の仕方は間違っていなかったんだな』ということを痛感しています。今年のうちにワールドランキング70位内に入って、さらに来年、数試合の米ツアー参戦で、50位に食いこみ、マスターズに出場したいから。

 13番で、7メートルのバーディパットを沈めたあと2度目の中断になって、そのとき僕、その場で20分近く待機の車の中にいたんですね。
そのときに、なんていうのかな…まったくゴルフのことは考えずに、車の中で5分ほど寝たんですよ。それで、『なんかすっきりした〜』とか思って再開になったら、(7メートルが)入っちゃった。
 最初の中断のときも3メートルくらいのバーディパット(8番ホール)からだったんですよ。それはうまく打ったんですけど、はずれたんですね。それでまた、13番もパッティング前に中断になって。車の中で寝る前までは心臓が飛び出るくらい、すっごくどきどきしてて、『あ〜どうなっちゃうのかな』とか思ってたんですけど、ちょっと寝て、パッと打ったら入っちゃった。普通は中断のあとのそういうパットって、嫌なものなんですけどね。
 (競技副委員長の)川田(太三)さんが競技委員としてついてくださってて、待機中の車の中で『マスターズも、このくらい遅い時間に終わるんですよね』なんて話しながら、やけに落ちついていたんですね。ドキドキするパッティングの前なのにね。

 16番パー4の2打目をすごくショートして、3打目のアプローチをうまく打てたのが勝利につながったと思う。あそこがパーなら、『行ける』っていうのがあったから。
第3打目は、グリーンまで30ヤードあったんですけど、今週はそれくらいのアプローチが全部OKの距離についていたから、そのときもまったく時間をかけないで打ったんですよ。それが入りそうなくらい、いい感じで打てて。それが今回の勝因かな。

 初日から厳しい気象条件だったけど、僕のゴルフって、すごく飛ぶわけじゃないし、バーディが一杯出るわけでもない。ただ、天気が悪いほうが好きというか、苦にならない。悪条件になればなるほど、『別にヤじゃないよ』って思いながらやってるのが、いいんでしょうか。

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