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サントリーオープンゴルフトーナメント 2003

順調なジョティ・ランダワのプロ生活に起きたハプニング、しかしそれはさらに強く なるための試練だった

1972年5月4日にインドのアンバラで生を受けたランダワは、少年時代には、水泳、 モーターサイクル、100メートル走などさまざまなスポーツに親しんでいた。中で も、軍人だった父の影響でインド各地のコースでプレーする機会が多かったゴルフ は、特にお気に入りだった。

インドのメルト大学を卒業したあと、1995年にプロ転向。アジアやヨーロッパのツ アーで活躍し、2000年のシンガポールマスターズ、インディアンマスターズ、1999 年、1998年のヒーロー・ホンダマスターズなど4回の優勝歴がある。

そうして順調なプロ生活を送ってきたランダワにハプニングが起きたのは昨年3月こ とだ。
趣味のバイクの運転中に交通事故に合い、右鎖骨を骨折してしまった。これで約6ヶ 月間を棒をふったが、「この出来事が、自分にとってゴルフがいかに大事なものかを 教えてくれたんだ。やはり、自分にはゴルフしかない、と。この6ヶ月が、僕をさら に強くしてくれたと思う」。どんな場面でも動じない精神力は、このときにいっそう 養われたようだ。

復帰後は、アジア、ヨーロッパツアー共催のBMWアジアン・オープンで2位、オメ ガ香港オープンで8位など、勝ち星こそなかったものの大活躍を続け、アジアンPG Aツアーの賞金王に輝いた。アクシデントも乗り越え、強靭な精神力でアジアの頂点 に立ったのだ。

その資格で、今季の日本ツアーへの本格参戦を勝ち取ったほか、全英オープンなどメ ジャー出場も果たしている。

念願だった日本ツアーでの初優勝を達成したら、次はもちろん世界の舞台だ。

目標は「米ツアー」。今週は、トッププレーヤーのフィル・ミケルソンが来日してい た。ミケルソンの弾道を見て改めて、「アメリカでは彼のような高い球が必要だと感 じた」とランダワ。「日本とアジアツアーでの経験が、そのための良い経験になって います。さらに腕を磨いてランキングをあげ、いずれはアメリカでがんばりたい」。

いつかミケルソンと同じフィールドに立つのが夢。ポーカーフェイスの下に、でっか い夢を秘めている。

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