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2010年のニューフェイス紹介③<キラデク・アフィバーンラト>

今季、新たにシード選手の仲間入りをした6人のうちの一人は弱冠20歳の若武者だ。微笑みの国、タイ出身。体重は、104キロ。ぽっちゃりした体に乗る童顔は、愛嬌溢れる。
だがひとたびコースに立てば、その巨漢がしなやかにムチ打つ。切れ味鋭いショットでピンを刺す。

ファイナルQTランクは16位の資格で初参戦した昨シーズンは、ホームツアーのアジアとの掛け持ちながら16試合に参戦し、安定した成績で2200万円あまりを稼いであっさりと、初シード入りを果たした。

また昨季のドライビングディスタンスは平均297.47ヤードを記録してランク2位。 「飛距離には自信があります。この体ですから」と浮かべた笑顔は茶目っ気たっぷり。

父親のパヌポンさんに連れられてゴルフを始めたのは8歳のころだった。時を同じくして親友がジュニアの大会で優勝したのに刺激を受けて、ますます夢中になった。
「僕も試合に勝って、立派なカップをもらいたいと思ったんです」と、その動機を語っていたキラデクは、今季はしょっぱなからそのチャンスを迎えてきた。

母国で開催されたアジアンツアー開幕戦の「アジアンツアーインターナショナル」は、3日目を終えて2位と2打差の単独首位。
また、先の「メイバンク・マレーシアオープン」は、欧州とアジア共催のビッグイベントでやはり3日目を終えて、首位タイに。

「でも、いつも僕は最後の最後にチャンスを逃してしまうんです。優勝は、本当にもう目前なのに・・・」と、唇を噛んだのは「メイバンク・・・」の最終日だ。

2打差の3位タイに甘んじて「どうして勝てないのか・・・原因は自分でもまだ分からない」と肩を落としたがこの勢いを見れば、そんなキラデクが夢を掴み取る日もおそらくそう遠い話ではないだろう。

目標とする選手は、昨季の欧州ツアー賞金王のリー・ウェストウッドだ。注目するのは、その精神力。「一度スランプに陥ってから、また頂点に這い上がってきたところが凄い」と尊敬のまなざしを向けている。

それだけに将来は、ヨーロッパで戦うことも視野に入れる。「ぜひ彼と同じ舞台で戦いたい。そのためにも今はとにかく、日本とアジアでたくさん経験を積みたいです」。
あと一歩で勝てないという経験は、そのために与えられた試練でもある。

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