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住建産業オープン広島 2002

「無我夢中です」

 デビュー4年目の中川勝弥が、“後輩”に刺激を受けて…

 予選会の資格で出場している選手たちにとって、今週の試合は、普段以上に、気合いが入る。
 今大会までの成績を元に、今季の出場優先順位が、組みかえられる(リランキング)からだ。
 現在、同ランク39位の中川も、例外ではない。
 「なんとか、秋のツアーにも出られるように、とにかく1円でも多く稼ぎたい。無我夢中でやっています」
 前半の9番パー4が、象徴的だった。
 グリーンを大きくオーバーして、奥のバンカーふちに打ち込んだ第3打は寄せきれず、10メートルもの、長いパーパットが残った。
 3パットもありえる距離を、執念で沈めてパーセーブ。
 ノーボギーのラウンドは通算9アンダーの5位タイで首位と3打差の優勝争いにまで、絡んできた。

 デビュー4年目。
 PGAの資格認定プロテストにも1発合格し、これまでの人生、「まずまず、順調かな」とは、思ってきた。
 だが、「やっぱり、こうしちゃいられない」と、気持ちを入れ替えるきっかけとなったのは、2週前のことだ。
 今季メジャー第3戦の、全英オープン出場権をかけたミズノオープンで、宮里聖志が、優勝争い。
 その光景を自宅のテレビで見て、「大いに刺激を受けた」という。
 宮里は、関西の強豪・近畿大学ゴルフ部で、中川の1年下だった。
 中川は4年時に、関西学生選手権で優勝しているが、宮里に、アマチュア時代のタイトルはない。
 それどころか、学生時代は飲み歩いたり、ほとんど、練習をしているふうには見えなかった後輩が、今や、シード選手として、大活躍をしている。
 「一瞬、なんでやねん?…(笑)とも思ったけど、きっと、すごく努力をしてあれだけできるようになったんだろう、とも思いました。非常に良いリズムでゴルフをしているし、先輩の僕も、見習う部分があります」
 一足先ゆく“後輩”に、「できるだけ早く追いつきたい」と、必死なのだ。

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