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パドレイグ・ハリントンがプレーオフの末、全英オープン制覇!

やはりここカーヌスティには何かあるに違いない。

3日目を2位に3打差をつけ終了し、単独首位を独走していたセルヒオ・ガルシア。ショット、パットとも好調だったはずのガルシアは前半に3つのボギーを叩き、好調の波に影が見え始める。

そんな中、前半4つのバーディーを獲るなどしてスコアを伸ばしてきたのがアルゼンチンのアンドレス・ロメロ。最終組のガルシアより5組前をプレーしていたロメロだが、一時は1打リードの単独首位に立った。

しかし、メジャー大会のタイトルというプレッシャーからか17番ホールで痛恨のダブルボギー、続く18番でもボギーと惜しくも首位の座を譲り渡してしまった。
そして、ロメロが17番でダブルボギーを叩いた同じ頃14番ホールではギャラリーの大歓声。

昨年のダンロップフェニックスでタイガー・ウッズとの2ホールのプレイオフの末、優勝した、パドレイグ・ハリントンがイーグルを決めた。ここまでガルシアと同じ2位タイの7アンダーだったハリントンがイーグルを決めたことでガルシアは2打差を追いかけることに。13番、14番ホールで連続バーディを奪い何とか首位のハリントンに追いついた。しかし、続く15番ホールをボギー。
特に難しいといわれる上がりの3ホールでハリントンに追いつけるのか?と誰もが思っていただろう。

しかし、この難コースのカーヌスティはそう簡単には終わせない。
99年の今大会でジャン・バン・デ・ベルデが2位に3打差をつけての迎えた18番ホール。ハリントンも2打のリードを持ち、臨んだティーショットをクリークに入れ、そして2打目もグリーン手間えのクリークへ。誰もがあのカーヌスティの悲劇を思いだしただろう。
しかし、ハリントンはこのホールを何とかダブルボギーとしホールアウトし、そしてこの時8アンダーのガルシアが首位に返り咲いた。

一時はガルシアの下から遠のいたクラレットジャグがほんのすぐ手の届くところまで戻ってきたのだ。

迎えた18番ホール。ガルシアはセカンドを左バンカーにいれ、3打目をピン奥2メートルにつけた。このパーパットを決めれば、メジャー初タイトル。しかし、このホールをボギーとし、1、16、17、18番の4ホールでのプレイオフが決定した。

1番をバーディとしたハリントンに対して、ガルシアはボギー。2打差をつけられそのまま18番ホールへ。ガルシアは差を縮めるべくドライバーでのティーショット。セカンドを2オンさせたが、バーディパットが決まらずパー。ハリントンはティーショットからレイアップを選択しパーパットを沈め全英オープン初優勝を収めた。

優勝後のインタビューでは「まだ気持ちが落ち着くまでに時間がかかりそう。ボールがカップに沈むまで本当に長い時間だったよ。ただ信じられなかった。自分が全英オープンの優勝者?それはどういうことだ?と、色々なことが頭の中を駆け巡ったよ」と今だ興奮が冷めない様子でその時を振り返った。

一方、3日間単独首位でありながらタイトルを逃したガルシアは「未だにあのパーパットをどうやって外したのかがが分からない。まだ答えを探している最中。」と、目の前にありながら逃したメジャー初タイトルへの悔しさはひとしおだ。

毎年、数多いドラマを作るこの全英オープン。来年はいったい誰に何が起こるのだろう。

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