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中日クラウンズ 2002

「記録より、とにかく勝つこと!!」

 英国のジャスティン・ローズが、最年少優勝記録を打ち破る

 ローズが、世界中から注目を浴びたのは、まだ、アマチュア時代の98年。全英オープンで、勝ったマーク・オメーラと2打差の4位に入ったときだった。当時、17歳。
 「天才」と、騒がれた。
 直後のプロ転向後は、すぐにも優勝か、と期待されたが、道のりはその長かった。
 何10週も連続して予選落ちをしたり、苦難続き。
 ようやく、才能が花開いたのは、あれから5年もたった、今年2002年に入ってからだった。

 1月の欧州ツアー『ダンヒルチャンピオンシップ』で、グーセンらを抑えて、初優勝を飾ると、その3週後。今度は、南アフリカサンシャインツアーの『ナシュア・マスターズ』で、あっというまに2勝目。

 世界的なティーチングプロ、レッドベターの指導によるところが、大きかった。
 身長188センチ、股下82、5センチのローズ。
 「足の長い選手は、ダウンスウィングで、腰が早く開くのが欠点があって、僕もドライバーショットが苦手だったんですけど、先生に言われて、できるだけ腰の動きを抑え、体の前でボールを捉えるような練習をしてきたんです。それが、昨年、ようやくできるようになって。そのことによって、ショットに安定感が出てきたし、飛距離も伸びたんですよ」
 思いきり振れば、「340ヤードくらいは飛ぶよ」と無邪気に話した。
 「来るたびに、暖かい応援をしてもらい、日本が大好きになっていく」とローズ。
 この日は、小技にも冴えを見せ、深いラフからももろともせず、アプローチで、ピタピタとピンに寄せ、ファンを魅了した。

 「優勝するまでは、予選通過のことばかりが頭にありましたが、今は、勝つことだけを目指して、戦えるようになりました」と言ってのける21歳の“天才”が、日本伝統の和合コースを、制するか。

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