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Novil Cup 2026
「勝てない男」の大返上。大内智文が滑り込みの下剋上V
大内智文(おおうち・ともふみ)は、地元岐阜県の中京高校→中京学院大学時を含めても、「ワンデー大会以外で優勝したことがない」。
最終日最終組は、これが3回目。
前の2回とも勝てそうで「結局、勝ち切れなかった」。
いつしか親しい人の間でついた異名が「勝てない男」。
表彰式が終わって、クラブハウスに戻る途中もスマートフォンが震え続けた。
お祝いメッセージはプレー直後ですでに200件を超えていた。
「こんなに祝ってもらえることもなかなかない。これが人生初勝利と言っても過言ではない。応援し続けてくださった方にも胸を張って報告できる」。
特に、所属コースのレイクグリーンゴルフ倶楽部(岐阜県)のみなさんには、ありたけの感謝を伝えたい、と思っている。
大内にとっては、まさに一夜で人生を変えるほどの開幕戦Vとなった。
2024年に腱鞘炎を発症し途中離脱。2025年に復帰をしたが、前半戦で出場機会を失い、起死回生のQTもサード落ちを喫した。
ランク121位はACNツアーに出るのも厳しい立場。本大会に滑り込んだのも、開幕のほんの5日ほど前だった。
「状況が状況だったので…」。
雨の初日に「65」で首位に立ち、風の2日目は「71」で耐え、いよいよトップでスタートした最終日も「どうせ緊張するし、攻めに攻めたれ」。
腹をくくると奇跡の連続。
4番からの5連続バーディは、5番で「記憶にございません」くらいの長いバーディトライが決まり、最後の8番も、あわやOBのティショットが隣の9番ティまで飛んだが、「下がめちゃくちゃきれいだし、前が開いていたので乗ってくれて、イーグルパットは長かったけど入ってくれた。ほんとうに運が味方してくれた週」。
後半もミラクルは続き、16番では右ラフから5番アイアンで打った203ヤードの2打目がダフって「池だ!」。
落胆しかけるより早くボールはグリーンにかじりつき、10メートル超あった「凄い曲がるスライスライン」のイーグルトライも決まって2位と4差に。
「ほんと、運でしかゴルフしてない感じ」と、改めて強運を噛み締めた。
「ボード見て。あ、いよいよ勝てそうだ」と、余裕を持ってゴールした。
完全Vの圧勝で「勝てない男」を返上できた。「なんなら、成長して帰ってこれた」と、うなずいた。
優勝の540ポイントを獲得して「ACNツアーポイントランキング」でも堂々1位の席に就き、「初戦で優勝できましたので、今年は年間王者を目指して頑張ります」と、臆さずスピーチした。
開幕戦Vで、次週レギュラーツアーの国内開幕戦「東建ホームメイトカップ」の出場資格も獲得した。
「レギュラーツアーでは、僕は優勝するしかない立場。レギュラーツアーでも頑張りたい」。
さらなる下剋上を期して乗り込む。











