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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2025
V争いも三つ巴。ヨンハンVS小木曽VS吉田が首位で並んでもつれ込む
三つ巴の賞金レースが繰り広げられる中、V争いも三つ巴になった。
最終日を前に、宋永漢(ソン・ヨンハン)と小木曽喬(おぎそ・たかし)と吉田泰基(よしだ・たいき)の3人が、通算8アンダーで肩を並べた。
組・最年長のヨンハンは、2016年の「SMBCシンガポールオープン」と、23年の「Sansan KBCオーガスタ」以来となる、通算3勝目に挑む。
3年連続6度目の出場を果たした難コースは「17、18番が大事。17番まで来てチャンスがあれば楽しくできる」と、この日は、17番のバーディに続いて、「最後はやっぱりパット」。
最後18番でも、右手前ラフからアプローチを寄せ、しっかりとパーセーブを決めて上がった。
一昨年は4位で終わり、2017年には初日に首位に立ちながら、最後は11位に終わった。
悲願のタイトルへ。
「赤いジャケットが欲しい。赤いジャケットを着て韓国に帰りたい」と切望。
「そうなれるように頑張りたいです」(ヨンハン)。
小木曽は一昨年の韓国開催「ハナ銀行インビテーショナル」に続く通算2勝目と、“国内初V”がかかる。
1打差のトップで出たこの日は「最初の出だしって大事。静かに行きたい」との慎重が過ぎた。
「ちょっと硬い入りになっちゃった。広いほう広いほう打っていて、むしろチャンスが作れなかった」と、最初のバーディもやっと7番と出遅れた上に今度、9番から折り返しの11番まで「ティショットが曲がりだした」と、3連続ボギー。
「そこからはピンに打とう、と。アグレッシブに行ったのが良い方向に行った」と、12番から3つのバーディで持ち直した。
最後18番は、グリーン左にかじりついたが、長く難しいバーディパットになった。急こう配で垂れて3メートルのパーパットを残したが、辛くもしのいで首位を死守した。
今季は2位タイ2回を含めてトップ10が5度あるが、首位で最終日を出るのは今年初めて。
再び最終組でまわるヨンハンと、吉田は「みんな調子はいいからその順位にいるわけなので」と、その好調ぶりがうかがえる。
「3人のトップタイですけど、自分は追いかける立場と思ってやりたい。優勝したい。シーズン終わりを笑って終われるように頑張りたい」と、心に決めた。
プロ6季目の初Vを日本タイトルで狙う吉田はこの日、首位とは3打差からのチャージを見せた。
左4メートルを沈めた5番、3メートルを決めた6番、8メートルの7番、右6メートルをねじ込んだ8番の4連続バーディも圧巻だったが、それ以上に、6メートルのボギーパットを入れた次の前半最後の9番も気迫がこもった。
一時は2打差をつける4アンダーの「66」で、最終日を前に、自身初の首位に立ち、通算4度目の最終組に飛び込んだ。
大溝キャディは、ここ東京よみうりで、ここ東京よみうりで、片山晋呉(2000年)と、小平智(2018年)と、福嶋晃子さん(2008年ワールドレディスサロンパスカップ)とで男女ツアー合わせて3勝を挙げており、コースを知り尽くしている。
聞けばすぐにも答えをくれるが、「こういう速くて傾斜のあるグリーンはタッチだったりスピードだったりを自分で把握できていないと余計に無理だな、と思うので。なるべく聞かないように」と日々、懸命に自分の頭を使って答えを導き出している。
「きょうからすでにプレッシャーはありましたし、明日もそんなにいプレーができるとは思わないけど、パットのフィーリングはいいのでその中で勝負ができるように」と、プランを立てる。
今月21日に挙式を控える樹里さんからは、初日のショットに関して「合わせに行ったり、緩んでいるように見えたらしくて『もっとしっかり思い切ったほうがいいんじゃない?と」。
意識して打ち始めた途端に、2日目の14番パー4で2打目を沈めるイーグルを奪ったりと、「フィーリングが今日から特によくなってきた」と、手ごたえもある。
3年シードの本・日本タイトルで、ツアー初優勝を飾ったのは、2016年の朴相賢(パク・サンヒョン)以来、9年ぶり5人目。
最終日の快挙で、今年3月に入籍した愛妻との共同作業を完遂させる。














