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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2025
最後に笑うのは金子か蟬川か大岩か。賞金レースも最終戦
シーズン最終戦で、今年の賞金レースは現在賞金1位の金子駆大(かねこ・こうた)と、賞金3位の蟬川泰果(せみかわ・たいが)と、同4位の大岩龍一(おおいわ・りゅういち)の3人にしぼられた。 ⛳最新の賞金ランキング
ここまでの獲得賞金は1億1613万1916円。唯一、1億円越えの金子と、蟬川との差額は3209万7130円で、大岩とは3296万7372円。
金子が断然有利には違いない。
開幕前日恒例のフォトセッションでガッツポーズを突き合わせて、「賞金王になりたい。いい成績を出して自分で決められればいいかな」と金子。
「2人とも僕より飛ばすので羨ましい」と口ではいうが、普段は「あまり周りを気にしない」と、徹底したマイペースが金子の強みだ。
「グリーンが小さいので、ショットが重要になってくる。特に17、18番でバーディと、しっかりパーが取れればいいかな」とプランを立て、「初日からいいスタートが切れればいいな」と、第1ラウンドでのランキング順の直接対決をにらみ、「優勝目指して頑張りたい」と、シンプルに抱負を述べた。
蟬川と大岩は、共に勝つしか逆転のチャンスはない。しかも金子の大会順位次第というハードルつきだ。
蟬川の場合は金子に5人までの2位タイにつけられれば一転、ノーチャンスだ。
「金子選手は今年すごく流れが来ている。僕もしっかり準備をするだけ」と、今季すでに2勝の雄を見上げる。
「ここ2戦はそこを意識してのプレー」と、先週のカシオワールドオープンも、優勝による逆転を目指したが、2打差の3位で出て、4打差の5位で敗れた。
「ピン位置も難しかったし、正直僕の読みではもう少し伸びない展開になると思っていたけど、21アンダーまで伸びた。どんどん伸ばしていく展開を作らないと優勝は今週も難しい」と、自分を追い込む。
23年に、22歳と326日目の最年少優勝を達成した経験を強みに、「また優勝したい」と大会2勝目をにらむ。
当時、優勝を競った金谷拓実(かなや・たくみ)と中島啓太(なかじま・けいた)も参戦する。
「PGAツアーで来季2季目の金谷選手と、欧州ツアーのレースでPGAツアーの出場権を勝ち取った中島選手の2人ですので。2年前より圧倒的に上手くなっていると思うので、自分がどれだけ通用するか」。
かつてその2人と賞金レースを競った2年前の経験もまた役立つはずだ。
そして賞金4位の大岩だ。
先週の「カシオワールドオープン」で、プロ7季目の初優勝を飾って三つ巴の賞金レースに残ったが、「チャンスがあるといっても勝たないといけないので。勝ちたいな、と思って勝てるなら、とっくの昔に勝っています」と、苦笑する。
「勝つのにこれだけ時間がかかっているということを考えれば今週、ぼくにどれだけのチャンスがあるのか」と、置かれた立場に首をかしげる。
特に背中や膝の故障に悩まされた今季は、欠場と棄権と予選落ちを3回ずつ経験しながら、シーズン最終戦に残った。
「最後まで来れたという驚きもありますし、この位置で迎えられるとは思ってなかった。その資格、チャンスがあるっていうこと自体に驚いています」と、心境を明かす。
「自分にはなれるわけがない、と思っていた」という賞金王の可能性をいざ目前にして、高校1年から教わる谷コーチの言葉を改めて反芻する。
「あの人は、僕がどんなに悪いときでも、必ずチャンスがくるからそのときのために準備しておきなさい、と。そんなわけないでしょ、いっつもポジティブばっかりいって、何言ってんのと思っていたけれど、それが今回ついにきたので頑張りたいな」。
賞金2位の蟬川も、プレーオフで決着した先週の展開を改めて顧み、「あれだけ伸ばし合いで競り勝った。気持ち的にも強い選手」と、大岩を警戒していた。
「お祝いコメントもたくさんいただきましたけど、今週の会場で、プロの人たちにおめでとう、と言われたのが嬉しかった」という大岩。
賞金4位に、いまもっとも勢いがあるのは違いない。
※現在賞金3位の生源寺龍憲(しょうげんじ・たつのり)は、PGAツアーの2次予選会に出場するため本大会を欠場しています。














