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Sansan KBCオーガスタゴルフトーナメント 2025
来季PGAツアーへ昇格目前「みんなに会いたかった」平田憲聖が今季国内初戦
昨季は9月に月間3勝、年間最多の4勝を挙げ、賞金ランキングは金谷に次ぐ、2位と大活躍した。
今季、参戦中の米二部コーンフェリーツアーは2位2回、トップ10は5回。
ポイントランキングは現在11位につける。
来季PGAツアーの昇格も目前にして、平田憲聖(ひらた・けんせい)がいったん帰国し、今週の「Sansan KBCオーガスタ」で、今季国内初参戦。
先週、火曜日に到着し、月曜日に芥屋(けや)入りした。
日本は、2か月ぶりだそうだ。
「さみしかった…。みんなに本当に会いたかった」と、切実な声が出た。
「今週は、喋り疲れるくらい喋りたいw」。
日本語でのお喋りにも飢えている。
普段は、キャディさんと2人で転戦しているが、一時期3週間ほど、オーストラリア人の現地キャディを雇った時があったそうだ。
「ファンもギャラリーもいない。プレー中も孤独だし、ゴルフ場を離れても1人。帰っても何もすることがなく、YouTubeもネットフリックスも、もう見るものがないくらいめっちゃ見ました」と、時間を持て余した。
21試合出て、7度の予選敗退時は特にこたえた。
「日本なら予選落ちても家に帰ってリフレッシュできたり、そんなに難しくないと思うんですけど、向こうだとゴルフしかすることがないし、話す人もいないし、苦しいし、もっと楽しいことしたいし、気持ちの持ち方がすごい難しい」。
海外では成績の良しあしが、とりわけメンタルに影響する。
「結果が良くなれば、つらいこともすべて楽しいと思えるようになる」。
SNSに「アメリカでは過程より、結果がすべて」と、書き込んだのはそんな心境からだった。
転戦中は自炊も始めた。
「カレーやシチューを作ったり、鶏肉を焼いたり。フライパンで米も炊きました。意外と簡単なんですよ」と、笑う。
「いろいろな場所でやってきて、メンタルも強くなったと思うし、経験値も増えている。自分に生きてくるかな、と思う」と、成長を自覚する。
PGAツアーの昇格をほぼ確実にし、「毎週、新しいコースでやっている中ではよくやっていると思う」と、自分を褒めつつ、「内容を見るともっといいゴルフが出来そうな感じもある。残り4戦で、優勝できるように頑張りたい」と、思いも新た。
先週、帰国してすぐ、吉報も入った。
小平智(こだいら・さとし)が、「ISPS HANDA 夏の決戦・誰が一番強いんだトーナメント」で7年ぶりの通算8勝目を飾った。
復活の契機となった今夏の小平の米合宿に平田も1週間参加。
「コースや試合のことなど、相談できることは小平さんだけだし、僕の気持ちも分かってもらえたし、あの1週間はすごく楽しかったし、いい時間にもなりました」。
米ツアー1勝し、米二部コーンフェリーツアーも含めて6季戦った小平の話は、今の平田にも響くものばかりだった。
「小平さんがまた這い上がろうとしていることも聞いていましたし、そういう中での優勝だったので、僕も頑張ろう、と刺激になりました」と、平田もYouTubeの生中継に喝さいを送ったという。
ただ、岩田寛(いわた・ひろし)とプレーオフになりかけた時は、複雑だった。
実は、翌月曜日に小平と岩田と食事の約束をしていて、「もし2人がプレーオフしたら、気まずいな」と、ハラハラしていたそうだ。
「でも、(プレーオフにならずに)智さんが勝って…。月曜日はよい祝勝会になりました」と、つかの間の帰国も刺激で一杯だ。
このあとまたすぐ主戦場に戻る。
「今週はやはり4日間戦って、優勝争いをしたい思いが強い。今年初の日本ツアーなので、アメリカで得たものをプレーで皆さんにお見せできたらいいと思っています」。
再出発の直前に、自分も祝勝会してもらおう。















