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東建ホームメイトカップ 2024

海を隔てて「JKG」 24年もまだまだ続く、タクミとケイタのストーリー

2024年は遠く離れても、ケイタとタクミの物語りは続いていた。


金谷拓実(かなや・たくみ)が21年に続く2度目の開幕戦Vを飾った日。

中島啓太(なかじま・けいた)もまたインドで優勝争いしていた。



欧州・DPワールドツアーの「ヒーローインディアンオープン」もまたサスペンデッドが続いており、中島が暫定の単独首位に立った大会2日目に、金谷が送ったラインメッセージは「JKG」。


アマ選抜のナショナルチームコーチのジョーンズさんの口癖「ジャストキープゴーイング(そのまま行け)」の略で、チームメイトならそれだけで通じ合える。


すると速攻で、中島からも「JKG」と返ってきた。
「律儀ですね」と、金谷は笑う。


中島が、賞金1位の資格で得た欧州ツアーの転戦。
金谷も、賞金3位の資格で行く気満々だった。

「腹を据えて、覚悟を持って、出られる試合はすべて出る」と強い意志をにじませ、「チャンスがめぐってきたら、つかめるように。しっかりと準備したい」と今オフもトレーニングや調整に明け暮れ、今かと出番を待ったが、資格の付与がスタートした初年度の一昨年から徐々に、日本の賞金3位の優先順位が下がってしまった影響で、1、2、3月はついに1戦も出られなかった。


海外志向が人一倍の金谷には、余計にシビアな現実だ。

「仕方ない・・・」とこらえた。


「そうなってしまったのも去年の結果。1番になれなかったことで、こういう状況になっている」と、昨季の熾烈な賞金レースで中島に敗れた自身を断じ、「今年もまた1試合1試合、優勝目指して、結果を出していければ状況は変えられる。賞金王を目指します。そのためにもスタートは凄く大事」と、この開幕戦も並々ならぬ決意で臨んでいた。


2日目が降雨で順延となり、土・日は毎朝4時起きで、大坂武史トレーナーによるケアと、トレーニングで体を温め臨み、「72ホール終わった時には必ず優勝できると信じてプレーした」と、連日の1日1.5ラウンドでも高い集中力とパフォーマンスを持続し、2度目の開幕戦Vを、大会最多アンダーで有限実行した。


ここからまた猛然と中島を追いかける。


ルーキーシーズンに、プロアマ通算3勝目を飾った21年大会では、当時アマの中島が2位。
金谷に1差で敗れて泣いていた。

あれから3年。

遠く海を隔てても、ケイタとタクミは競い合い、刺激をし合う。

日本男子の開幕戦に合わせるように、インドでV争いする中島は、前半を終えて2位に8打差をつけている(31日・日本時間17時40分時点)。
タクミとケイタの同日Vはもうすぐそこだ。


ケイタ、吉報待ってるよ

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