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日本オープンゴルフ選手権競技 2002

「かっこ悪いけど、入ればいいかなって」

今季ツアー初出場の藤池昇龍が、2位タイ

今年の5月、15年来、手放せなかった長尺パターを、普通の丈に元した。
「どうしても、短いので闘ってみたかったから」
しかし、やはりしっくりいかず、あれこれ打ち方を考案するうちに、こんな形が、出来上がった(=写真上)。
極端にスタンスを開き、右手は伸ばして軽く添える程度。さらに左手親指は真横にむけて「まあ、グリップは、長尺のときの名残だね」と、照れ笑い。
「プロとしては、ちょっと恥ずかしいなあ、とも思うんだけど、この形で、すごくボールが出しやすくなったからね。かっこ悪くても、入ればいいかなって(笑)」
ホールアウト後、藤池の練習風景を見ていたほかの選手から、こんな声があがった。
「藤池さんはほんと、アイディアマン。いろんな形を自分で編み出して、ああやって、自分のモノにしちゃうのが抜群にうまいんですよ」。

この変則パッティングで、小さく速くアンジュレーションのきついグリーンを制し、65の5アンダー2位タイ。

ここ下関の攻略法も、心得たものだった。
実は、8月に行われたローカルオープン『山口オープン』でも、初日に65をマークして優勝している。
「あのときは、今回よりもっとラフも深かったし、風も強くて。パー4がパー5に変更になったりしているけど、感じは、よく似ているからね」と、胸を張った。

ただひとつ、あのときと違うのは、試合の緊張感だ。

普段は、地元・福岡県内の練習場を「ドサまわり」して、レッスン業を行っている藤池。
大会独自の予選会を突破して出場にこぎつけた今週が、今季ツアー初競技。
「久しぶりの楽しさのほうが先で、スコアにもしびれないし、ビックリもしない。今日は『山口オープン』のときとはまた違う、良い意味の集中力があったから」と、豪快に笑った。

写真下 = 10番で、左奥の林からのリカバリーショット。

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