記事

マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2022

「嬉しくないのかな」くらいがかっこいい。池村寛世の美学

最終日を前に1差の2位につけたプロ10年目の池村寛世(いけむら・ともよ)が最近、テーマに掲げるのが「平常心」だ。



参考にしているのが、「バーディ獲っても嬉しくないのかな?」と、疑うくらいにポーカーフェイスを貫く海外の選手たちだ。


やるのも見るのもサッカーが大好きで、大会の地元Jリーグの「ヴィッセル神戸」で活躍する小林 祐希(こばやし ゆうき)さんとは、オフに一緒にゴルフをしたりするほど仲良しで、本当はこの日も、3年ぶり5度目のリーグ優勝がかかった対横浜マリノス戦に行きたかったくらい。


最近、新契約した動画配信サービスも、最初はサッカー観戦が目的だったが、たまたま新興ツアーの「LIVゴルフ」の放送も始まり、合間によく見るようになった。


「日本の選手ってよくガッツポーズをしたりとか、けっこう感情を出してプレーしていると思うのですが、ダスティン・ジョンソンとかはバーディ獲ってもそんなに喜んだりしてない。抑えたプレーがすごくかっこいいな、と思ったので」。


海外勢を見習った抑揚をつけないゴルフは、ティショットが木に乗ってしまって、この日唯一のボギーとした5番などでも、「バタバタせずにできている」と、ピンチでこそ真価を発揮。

174ヤードの2打目を8アイアンで奥5メートルに乗せてイーグルを奪った最後18番ではさすがにガッツポーズを見せたが、その表情はいつになくクールだった。


6月の新規開催「ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント」に続く今季2勝目のチャンスがかかるが「明日も欲を出さずに平常心で。大きなアクションは優勝が決まってから」。
喜びは最後の瞬間まで取っておく。

関連記事