実は、2018年に342.25ヤードも飛ばしたことがある。
しかし、315.50ヤードを記録した2017年と同様に、出場試合数不足でランク外となった。
「試合に出られるようになって、やっと今年で2年目なんです」。
前シーズンの2019年は、平均315.30ヤードでキムに53センチ及ばなかったが今季、レギュラー昇格と合わせて待望の初戴冠。
年間表彰式で、トロフィを授与したJGTO会長の青木功にも羨ましがられて「励みになります」と、端正な頬が緩んだ。
岡山・作陽高校の後輩で、今季のABEMA賞金王の久常涼(ひさつね・りょう)もかなり飛ばすが「来年も幡地先輩がドライビングディスタンスを獲ると思うので。僕は2位狙いで」と、恨めしそうだった。
誰もが羨む飛距離を手に入れたのは、東北福祉大への進学を控えていたころ。
もともと長身だったが、痩身だった。
「筋トレして、食べて、筋肉と贅肉の両方で、体を10キロほど大きくしたら、爆発的に飛ぶようになった」という。
今でも「馬みたいに変わる」と、週単位で体重を自在に変えられ、「一気にやせすぎると力が出なくて飛ばなくなるし、あんまり太りすぎても長丁場に疲れてしまう」と、シーズン中は体重100キロ弱で、パワーとキレのバランスをほどよくキープ。
念願の初シードと飛距離1位の一石二鳥を実現させた。
この一口がものをいう??(JGTOimages)
たった34万2584円差(賞金67位)で初シードを逃した2019年は、「そのわずかな数十万円差をものすごく遠く感じて、技術とは違うところで、シードが獲れる、獲れないがあるんじゃないか…?」と落胆。
確たる答えを見つけられないまま迎えた今季、「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」で5位、「日本プロ」と「バンテリン東海クラシック」で9位タイと、トップ10の数を地道に増やしていくことで、スコアメイクのこつをつかんで、11月の「三井住友VISA太平洋マスターズ」で初の最終日最終組を経験。
4位に終わったが、大学先輩の谷原秀人のVシーンを目の当たりにして感銘を受けた。
谷原さんはかっこよかった!(JGTOimages)
「来年こそ初優勝と、アメリカ挑戦」をプロポーズに、11月1日には英語が堪能な志保さんと入籍。
新天地への足場を固め始めたところ。
コロナ禍で先行きが見えなかった今オフは3月のドラコン大会にエントリーしたそうだ。
「そういうモチベーションを作らないとなかなか気持ちが続かない。それに向かって鍛えるという感じでした」と、本番では350ヤード超も飛ばしたが、3位に終わったらしい。
上には上がいる。
「今度こそ優勝を狙って、来年もまた出ようかなって思ってます」。
日本一の飛ばし屋は、オフの調整法も豪快だ。