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6日月曜日に行われた2004年度ジャパンゴルフツアー表彰式29試合フル参戦の“鉄人”は、この3人

今季ツアーフル参戦の“アイアンマン賞”を手に入れるには、ただ、タフなだけでは叶わない。強い精神力だけでもない。ただ漫然と、試合に出ているだけでも駄目。そこに実力が伴わなければ、実現しない。

最終戦のゴルフ日本シリーズJTカップの出場資格は、ツアー優勝者か、または今季の賞金ランク25位までの者にしか与えられないからだ。

そんな厳しいハードルも乗り越えて、今年“鉄人”の称号を手に入れたのは、この3人。

加瀬英樹、川岸良兼、近藤智弘。

加瀬(=写真上、同下左端)は9月のサントリーオープンで涙の復活優勝をあげた。そればかりか、10月の残り8試合でトップ10入り5回と、終盤戦になるほど上り調子を記録したのだ。

最終戦では「さすがに足が…思うように上がらないよ」と、人の良い笑顔を浮かべながらの優勝争い。残念ながら、過去自己ベストの賞金ランク8位(90年)の更新こそできなかったが、「もう、優勝なんてできないだろう、と考えた時期もあったわけだし、そう思うと、最高の年になりましたね」と、ジャパンゴルフツアー表彰式の壇上で日本ゴルフツアー機構から記念のトロフィーと、記念の腕時計を受け取って、しみじみと振り返った。

2000年から4年ぶりのシード権の返り咲きを果たした今シーズン。川岸(=写真中、左)は完全復活をかけて、猛然と戦った。10月のABCチャンピオンシップで2位タイに入ると、「この勢いで絶対に優勝したい」と、そのあとも気迫のこもったゴルフを続けた。
11月にはダンロップフェニックスで2位、カシオワールドオープンで3位タイと、2試合連続のトップ10入りを果たした。
“怪童”の復活間近をよりいっそう印象づける、アイアンマン賞受賞。
華やかな表彰式の壇上で、「来年こそ」の思いを新たにしていた。

身長183センチの加瀬、180センチの川岸との同時受賞に、近藤(=写真下、右)の存在感がきわだった。
身長168センチ、体重は60キロ。「小さくてもパワフル」というプレースタイルを、全面に押し出して戦いぬいた2004年。
まだ未勝利ながら、2年連続で最終戦・ゴルフ日本シリーズJTカップへの出場も果たした。

「もちろん、早く初優勝をあげたい、という気持ちはある。だけど、それと同じくらいに毎年安定した成績をたたき出すことも大事なこと。それを2年続けてやりとげた自分を評価したい」。

端正な顔立ちをひきしめて、“小さな鉄人”が堂々と、加瀬、川岸に挟まれ背筋を伸ばした。

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