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日本プロゴルフ選手権大会 2021

池田と稲森。1差の悔恨

©JGTOimages
1差で敗れた2人には、並々ならぬ思いがあった。
池田勇太は高校時代に、ここ日光で行われた2003年の「日本オープン」で自身初の予選通過を果たし、09年の本大会ではプロ初勝利を飾った。

「池田勇太のスタートの地。ここで勝ちたい」と誓って単独首位から最終日を始めたが、ソンヒョンに逆転負けをした。

3人並んで入った17番で、フェアウェイから打ったセカンドショット。
「距離と風向きと雨の様子が、中途半端で、結果的に力が入って左にいってしまった」という。
「フェアウェイからグリーンに乗せられない時点でありえない」と悔恨の1打。グリーン左に外した。
「芝が薄く、表面もデコボコがあって、ボールが沈んでしまっていた」と、ピンを大きくオーバー。
返しのパーパットは、カップに蹴られた。
ボギーで1差を許して迎えた最終ホールのバーディトライは、惜しくも外れた。
悲願は成就しなかった。

稲森佑貴もまた、17番に悔いを残した。
混戦から抜け出る大チャンスを見逃した。
約4メートルのスライスラインは「外せない。ラインを意識しすぎて、思ったより手が動いてくれなくて、それが原因でボール1個ショート」。
バーディパットを外して「完全に、相手に勝利を譲った感じ。一番もったいない」。

2人タイで臨んだ18番では、ティショットをフェアウェイには置いたが「思いのほか飛んでいなかった」と2打目は220yd残った。

3番ユーティリティで、グリーンを狙ったが「あまり振り過ぎないように、抑えめで打ったら雨の影響で、滑って右に曲がってしまった」と、右の木の下のラフは「一番、行っちゃいけないところ。やっちゃったな…」。
アプローチが今度は奥のカラーまで行って、ボギーで敗戦。

稲森には18歳時のデビュー戦が、2012年の今大会だった。
当時は、池田勇太と回って予選敗退。
今度は池田との最終日最終組で、18年と20年の「日本オープン」に続く、初Vから史上初の日本タイトル3連勝で、成長の証しを狙ったが、1打及ばなかった。

悔いを残しながら、次週末は19年大会以来となる自身2度目の「全英オープン」に向けて発つ。
「ゴルフ自体は調子も出てきて、今日の悪天候でもアンダーで回れた。全英に向けて良い練習になったと。悔しさをバネに頑張るしかない」。
前回は、初メジャーで予選を突破。4日間を闘い72位タイだった。
「前回以上の結果を求めて行ってきます」。
出発までに、日本一曲げないショットに磨きをかけていく。
  • 1差の惜敗…

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