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長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ 2021

骨折のアトム。北海道で故郷熊本を思う

先週のチャリティイベント。協力してくれた竜太郎や翔太、大二郎にも感謝です
開幕前日の千歳も大雨。北上してきた秋雨前線に、重永亜斗夢(しげなが・あとむ)は、おのずと地元を思う。

「自分の家の周りはまだ大丈夫でしたけど、熊本も相当、降りましたから…。心配ですね」。
後ろ髪をひかれる思いで家を出てきた。

家族や周辺地域の安全を祈りつつ、この日水曜日は土砂降りのプロアマ戦を回りきった。
ゲストが希望すれば、途中で打ち切ってもよかったが、2年ぶりの大会だ。
「プロアマ戦も久しぶりですし、お天気は大変でしたけど、アマチュアの皆さんには喜んでいただけて本当に良かったです」。
最後まで、笑顔でこなした。

まさに10万馬力の1日だった。

ろっ骨を疲労骨折したのは先月の17日。
まだ痛みがある上に、この日は持病の潰瘍性大腸炎を再発させた。
悪天候も重なり三重苦のラウンドとなったが「僕らの仕事ですから」。
穴は、あけたくない。

先週13日には、痛みをこらえてチャリティイベントにも参加。

昨年7月に、地元熊本県で起きた豪雨災害の復興支援を目的に、同県出身でタレントの高村公平さんが企画・主催したもので、高村さんとゴルフを通じて中学時代から親交があるという重永が協力のオファーを受けて、メンバー集めや日程調整、当日の寄贈品の収集を引き受け奔走していた。

同県出身で、同い年の永野竜太郎と後輩の秋吉翔太、また隣県の鹿児島県からは、出水田(いずみだ)大二郎が参加を快諾してくれたのだが、豪雨の影響でラウンドは中止に。

会場の熊本県阿蘇市の「コスギリゾート 阿蘇ハイランド ゴルフコース」のクラブハウスでチャリティーオークションのみの開催となったが、「協力してくれたみなさんのおかげで、予想の倍以上のお金が集まった」と、サイングッズを提供してくれた選手会長の時松隆光ら男子プロたちをはじめ、協力してくれた同県の先輩、上田桃子さんや柏原明日架さん、吉田優利さんら、女子プロのみなさんにも改めて大感謝。

「5年前の熊本地震をきっかけに、チャリティ活動には常に積極的でありたいという思いがある」という重永は、曇天の空をうらめしげに眺めて、「今は、日本中どこでも大きな災害が起きる可能性がありますよね。常に、自分の身に置き換えて、自分たちができることをやっていきたい。ゴルフを通じて、みんなで助け合っていけたら」。

19日から始まる本戦。
「骨折したせいで、先週まで全く練習できていないので、そこは不安ですけども…。焦らず、ゆっくりですね」。
ツアー後半戦も、細身の身体でジェットの限りだ。

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