記事

マイナビABCチャンピオンシップゴルフトーナメント 2019

好機を逃してエビぞり。藤田寛之は「ダメならまた船をだします」

50歳が、痛みをこらえてV争いだ。3打差の4位から出た藤田寛之は、5打差の4位で最終日を終えたが「この歳で、この位置で、プレーが出来る喜びとか、プレッシャーとか。いろんなものを含めて充実してます」。

プレーにも、その気持ちがあふれた。
7番。カラーからのアプローチが入りかけ。惜しくもカップを外れて芝生の上に崩れ落ち、エビが跳ねるみたいなポーズで悔しさを表現。

初の賞金王も獲った40代は、ピンチの時ほど自身に冷静さを厳しく課した。
感情を出さないプレーを信条とした選手には、珍しい一場面。
最終日のスコアは2アンダーと、伸びなかったが熱心なファンを沸かせた。
ベテランの健闘を見せながら、ひそかに痛みに耐えていた。
「7番あたりから、股関節が痛くなった」という。
「スイングすると結構な痛み。今まで左の記憶はあったけど、右はなかった。大分バランスが悪いのかと。
後半は、腰の方も張ってきましたけど、自分の一部なのでしょうがない」。
状況を受け入れ、通算14アンダーで回り切った。

「多分、ケアをしたら治るでしょう。また明日トレーニングをして、元気に沖縄に行きますよ」。
次週はPGMゴルフリゾート沖縄で開催される「平和・PGMチャンピオンシップ (11月7日〜10日)」を気丈に見据えた。

今季5度目のトップ5で賞金ランキングは20位に。
「次の目標はそこ」と、掲げたのはシーズン最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」。
同20位までのほか、その年の勝者など、30人しか出場できない頂上決戦も、藤田は16年を最後に途絶えており「いないと寂しい、とよく言われますし久々に、行ってみたいなあと思う。ダメなら、また船を出しますよ」。
50歳を機にゴルフ以外で息抜きを、と今年6月に、一念発起で二級の小型船舶免許を取得。
ベテランの船長は、趣味もゴルフも全力で楽しむ。

関連記事