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僕らのツアー選手権 / 梁津萬 (リャンウェンチョン)の選手権

6月4日から開幕するはずだった「日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ Shishido Hills」。
通称「ツアー選手権」または「選手権」は、昨年までの20回でこれまで4人の外国人覇者を排出。

うち3人が、この5年シードのこの日本タイトル戦で自身の日本初Vを飾っている。
中でも中国の梁津萬 (リャンウェンチョン、以後リャン)は、参戦12年目の初美酒。

なぜ、それほど時間がかかったか。
15年大会で、ジャパンゴルフツアーの七不思議のひとつがついに解き明かされた。

1996年まで中国アマ3連覇。99年にプロ転向し、07年には欧亜共催の「シンガポールマスターズ」で優勝。
アジアンツアーで中国人初の賞金王に輝いた。
世界中を股にかけ、実績を上げ続けたリャンだったが、なぜか日本で12年間も、勝てなかった。

第16回大会で、ついにジンクスを打ち破ったが「今もこれ、という理由は難しい」と、本人も首をひねった。
「きっと心理的なもの。勝ちたい、勝ちたいと思うほどに、色々考えてしまうものですよね」。

日・亜・欧を掛け持つ毎年の過密スケジュールも起因していた。
でもその年は、少し日本で腰を据えると宣言するなりつかんだビッグタイトル。

実力もさることながら、人柄の良さを見込まれ13年には英国ゴルフ協会(R&A)が、アジア人初の親善大使に任命。
08年に起きた中国四川省の大地震では、いちはやく被災地に400万ドルの小切手を送金するなど、母国に帰れば英雄だ。

あっという間にファンに囲まれもみくちゃだが、どんな時でも笑顔を絶やさず最後の一人まで、丁寧にサインに応じる。

きってのジェントルマンが、初めて日本で手にしたのがこのタイトル。
リャンにとって「ツアー選手権」とは……?

私のキャリアをもっとも美しく、輝かせてくれた大会です。また、大好きなコースのひとつ。非常に美しいレイアウトと、挑戦しがいのあるデザイン。特に17番ホールが印象に残ります」。

思い出の「宍戸」。思い出の「選手権」。
中国の雄は、また来年、必ず駆け付ける。
「今年は開催できずにとても残念ですが、来年のツアー選手権でプレーできることを楽しみにしています。そして出場するからには、また優勝できるよう、ベストを尽くして頑張ります」。
再来と2勝目を誓った。

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