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苦難を乗り越え7月のアイフルカップで大活躍、鹿田英久

同期に今野康晴、1年先輩に宮本勝昌、横尾要、片山晋呉・・・。強豪ひしめく中 で、 「自分は 、ハシにも棒にもかからなかった」日大時代。まさか、彼らと同じ舞台で戦える日が くると は、思ってもみなかった。だから宮本、手嶋多一との最終組で迎えたアイフル カップ3 日目、5番ホールに差し掛かったとき、感動のあまり不覚にも涙が出てきてしまった のだ。 ぼやけた視界の中で、鹿田はしみじみと思った。
「トッププレーヤーとオレが一緒の組で優勝争いをしている・・・夢みたいだ」。
そこにたどりつくまで、苦難を乗り越えてきた。いまから5年前のことだ。一時は、 ゴルフ の道をあきらめ家業を継ぐ決心をして、故郷・愛媛県宇和島に舞い戻った。しかし、 やはり 夢を捨てきれず、仕事を手伝うかたわら周囲には内緒で、実家と滋賀県・信楽CCの約 530キ ロの道のりを、2週おきに車で往復する日々を送った。やがてそれにも無理が出てき て、結 局、後継者になることを拒んで家を飛び出したのだった。
そのあと、父の会社が倒産してしまったのは、半分は自分の責任もある。地元で は、「親 不孝息子」のレッテルが貼られたが、それでも、ゴルフへの熱い思いを、押さえるこ とがで きなかったのだ。
「プロとして結果を残さなければ、故郷には帰れない・・・」固い決意で練習に励ん で きた成 果が、今年のアイフルカップだった。
結局、10位タイに終わり、「今まででいちばん緊張した。・・・もっと練習しないと ダ メ。まだまだですよ」と反省点を口にしながらも、先輩の宮本には「ずいぶん、うま くなったね」との誉め言葉をもうことができた。またその週、優勝した手嶋多一にも 「名前を覚えてもらったことが何よりも嬉しかった!」と、ようやくスタート地点に 立てた充実感をかみ締めた鹿田。
これからツアー後半戦。いつか故郷に錦を飾るためにも、少ないチャンスを最大限に 生かし ていくつもりだ。

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