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ゴルフ日本シリーズJTカップ 2017

金庚泰(キムキョンテ)は今年こそ、最後に笑う

過去2度の賞金王も、今年は蚊帳の外でも自身もこれが今年の最終戦と決めた頂上決戦で、初タイトルを射程にとらえた。
18番のパー3は屈指の最終ホールを控えて、上位がクルクルと代わる終盤。
16、17番共に6メートルの連続バーディで、庚泰(キムキョンテ)が2打差の単独首位に抜け出した。

選ばれし30人の舞台に3年連続7度目の出場を果たしたとはいっても、10年と15年の賞金王で、ツアー通算13勝の強者が今年は1勝も出来ないまま乗り込んだ。

いつもはレースの常連も、今年は賞金ランク14位から「毎週1位がくるくる変わって面白いですよね!」。
高見の見物を決め込みつつ「今週は、30人しか出ていないし、普通の試合よりも勝つチャンスが多い」と、しれっと、最後にがつんと割って入るつもり。

今大会が終わって、月曜日に部門別ランキングの各1位者を表彰するジャパンゴルフツアー表彰式に出席したら、やっと韓国に帰って年内はもうどこにも行かない。
「アジアンツアーの出場資格が今年までありますけど、最終戦にも行きません」。

もうすぐ3歳になる長男は、11月の試合に奥さんと来てくれたからまだいいとしても、生まれて8ヶ月の長女は「いつ顔を見たのか忘れるくらいに、会ってない。来週、やっと会えるのがとても楽しみ」と、このときばかりはトロけてしまいそうな笑みがこぼれた。

今大会は2009年に、丸山茂樹とプレーオフ4ホールに及ぶ死闘に敗れ、昨年は1打差2位で負けたまま。
負け知らずのアマ時代。母国では、あまりの強さに鬼と呼ばれた。
今年こそ、鬼が最後に笑って終わる。

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