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第85回日本オープン×2020新顔シリーズ/ 長谷川祥平「遅ればせながら…」

先週の再開初戦はセルフカートでプレーしました©JGTO
第85回の「日本オープンゴルフ選手権競技」は10月15ー18日、千葉県の「紫カントリークラブ すみれコース」で開催される。
9月9日に、主催の日本ゴルフ協会(JGA)が記者会見を開いて改めて発表した。
今シーズンの男子ゴルフとしては、先週の「フジサンケイクラシック」に続いて、今季の国内2戦目となる。

会見では一般非公開での開催と、プロアマ戦やチャンピオンズディナー等の一切の催事の中止、また賞金総額は25%減額の1億5750万円(優勝3150万円)で競われることなども、発表された。

記者会見の前日8日(火)には2日をかけて、千葉と兵庫の2会場で最終予選会が行われ、計66人が本戦の出場権を得た。
長谷川祥平は、兵庫・小野東洋ゴルフ倶楽部で通算3アンダーを記録。9位タイで勝ち上がった。
大会初日の7日(月)は台風の影響で大風が吹いたが、「なんとか1オーバーで耐えられた」と、最終日の2日目に4アンダーで反撃。無事、切符を得た。

プロ5年目。大阪学院大学時代を含めてアマ時代には、数々のタイトルを獲得し、プロの試合でも活躍したが、デビュー後の予選通過はやっと先週の「フジサンケイクラシック」が自身初。

プロ転向の16年に、QTの資格で11試合に出たが”全敗”。ひとつも予選通過ができずに終わってしまい、翌17年以降は出場チャンスもほとんどないまま3年が過ぎた。

改めて、QT39位の資格でレギュラーツアーに出る今季は「もはや”新顔”であってはならない年齢ですが…」と、恐縮しながら「僕のことを、ご存知ない方がほとんど。”新顔”みたいなものですね」と、気取らずに自己紹介。

広島県廿日市市の出身だが中学は、福岡県の沖学園へ。高校からまた地元に戻り、広島国際学院で鍛錬。
後輩の関藤直熙(せきとうなおき)と、金谷拓実さんとは、いずれも在学はかぶっていないが、どちらも小学時代からの付き合いである。

「拓実は、小っちゃい頃から努力家で研究熱心。特に、パットがめちゃくちゃ上手かった。5つも後輩ですが、今では声をかける時にも『お疲れ様です』って、敬語を使わなくちゃいけません」。冗談交じりで、世界アマランク1位の後輩を仰ぎ見ながら「僕も頑張らないといけません」。

4学年年下の関藤も、昨季のアジア二部で賞金王に輝いた逸材だが、実は長谷川も18年の同ツアーで1勝を挙げている。
プロデビュー直後の1Wの不振ですっかり遅れは取ったが、1年半ほど前からユーチューバーの「キウイコーチ」こと、クロセティア・マイクさんに教わり始めてから、徐々に上向きかけている。

ゴルファー日本一を決める「日本オープン」は、学生時代も含めて5度出場。
「普段のトーナメントとはまた違った雰囲気で、気合も入る。本戦ではまず、予選通過を目指して少しでも上へと思っています」と、約1か月後に控えた本戦に向けて、改めて抱負を述べた。

プロの試合で顕著な成績を出したアマ時代に、俳優の松坂桃李さん似ともっぱらだった。
「あれは報道陣の方々が…。僕はなんにも言ってないですからね!」と、ご本人に遠慮をしたが、丹精な顔立ちは誰もが認めるところ。
あだ名は”ハセショー”。
「これから、顔や名前を覚えていただけるように頑張ります!」。
遅れてきた2020新顔が、大舞台で挽回に打って出る。

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