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ANAオープンゴルフトーナメント 2019

苦手な輪厚で「64」。正岡竜二が大変身の3位タイ浮上

目まぐるしく変わる土曜日のスコアボードに割って入った。沖縄県出身の36歳、正岡竜二が悲願の初Vを狙って、3日目にコースの自己ベストを3打も縮める「64」。
首位と2打差の3位タイに浮上して、「気づいたらこのスコア。自分でもびっくりです」。彫の深い大きな目をクリクリさせた。

今大会は初出場の07年から、5度の出場で、16年の25位が最高。予選通過は2回だけ。「出たら落ちるイメージ」と、輪厚(わっつ)はずっと苦手だった。

「特にグリーンが全然読めない」。
今年、それを一変してくれたのが、歴12年目のハウスキャディさん。
和合泉さんは、一昨年のVキャディでもある。
前回覇者の池田勇太は、東北福祉大で二つ下だが、良き仲間で尊敬する”後輩”。「21勝もしてんですよ!」。
その池田がぜひにと推してくれたのが、和合さんだった。

今週は月、火と日本オープンの予選が重なり、開幕前日のアマプロ戦が和合さんとの初顔合わせ。
「グリーンの読みがばっちりで、打てば全部入る」と、即信頼。
それでも、この日の17番パー5のイーグルパットは20メートルくらいはあった。
泉さんの見立ては「のぼって、下って、スライスして最後にちょっとフック」。超難度のラインに「なんとか寄って」と祈る気持ちで打ったボールはみるみる寄って、「お願いだから止まって!」と、つい声が出た瞬間にカップに消えた。

12番では、外から25ヤードもあった”イーグルトライ”も言ったとおりに打ったら、こちらもまた入りかけ。
後半インコースのパット数は「10」。合計23パットは、今季の自己最小を記録。
和合さんは、これまた褒め上手で「あんなこと言ってますけど、プロはパットもお上手です。平常心でいきましょう」。
乗せられて、励まされて、苦手な輪厚でV争い。

スコアがもっとも動く日と言われる土曜日も、苦手だった。2日目までよくても、3日目に叩いてしまうことが多くて、スタート前に池田にひとこと、言われたのが「竜さん、頼むよ!」。
プロ8年目の2014年に初シード入りもその後、毎年終盤まで出場権の確保を引っ張る正岡と、いつも一緒にハラハラしてくれる。気の良い後輩にも助けられ、最北の地でプロ13年目の悲願に挑む。

「勝ちたい気持ちが強い。明日も自分のプレーに徹して優勝したい」。
震災の影響で昨年大会が中止となり、2年ぶりの開催。一昨年に続いて”チーム池田”の連勝で決める。

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