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日本勢もウッズのV争いに興奮!! 

日本勢最上位につけた小平もウッズのV争いに大興奮
日曜日のカーヌスティが沸き立った。4日間を終えて、次々と上がってきた日本勢もみなソワソワと、その動向を気にしながら4日間の総括を行った。

3度目の全英オープンで、初めて決勝ラウンドを戦った小平。
通算1オーバーの35位は日本勢としては最上位で終えたが、今年は米ツアー覇者として臨んだ第3のメジャーだっただけに「マスターズ(28位)のときと一緒で、もうちょい出来たなというほうが強いし悔しいほうが、達成感より大きい」。

最終日は今週、一番強い風。
追い風の16番では残り260ヤードの2打目を5番アイアンで打ってもグリーン奥。
「あんなにオーバーして・・・“何で打ちゃいいんだよ”って。縦の距離感が難しかった」とショットへの影響はもちろん、グリーン上でも風の対処に追われた。

最後の18番では、フォローの風も加味して手前からのフックラインと読んだが「意外と風が来なくてフックしなかった」とバーディパットを逃した。
「完璧に打てたと思ったが。グリーン上でも風を読むのが大変だった」。
この日の74についても「パープレーでは回れたはず。そのへんが今後、課題になってくる」。しきりに反省しながら小平の目は、自然とインタビューエリアにあるテレビモニターに向いていた。

「同じ試合に出ているんだから。あんまり言っちゃいけないとは思いますが、自分でないならタイガーに優勝して欲しい!!」。
ウッズが一度は単独首位に立ったのは、小平がちょうどプレーを終えたころ。まさにその全盛期を見てプロを目指した世代には、なおさらたまらない展開だ。
優勝は5年ぶり、メジャーは10年ぶり15勝目の復活をかけたウッズの最終日は真っ赤なポロシャツに、黒のキャップと黒パンツ。
小平にも見慣れた勝負服。
「やっぱりかっこいいし、絵になる。ボードでタイガーのスコアが伸びていくたびに、ギャラリーがおぉ〜ってなるんですよ。いちファンとしては、めちゃくちゃうれしい!!」。

ウッズは深刻な腰痛を克服して、再びメジャーの舞台に帰ってきた。

宮里優作もまた、今年は欧州ツアー連戦中に腰を痛めて苦しみながらも、カーヌスティにやってきた。
今週も「出来るかどうか」というギリギリの状況だった。
それでも、執念の予選通過を果たすと、大会は4度目にして初めての決勝ラウンドで、3日目には65を出す活躍を見せた。
「実は腰の状態は、今日が一番良かったんです」。
だがそんな日に限って今週、自己ワーストの「77」。
「朝、練習場に行ったら何打っても当たらなくて。タイミングがどこ行っちゃったのか。力入っていたのが急に抜けて流れちゃったのか。もしかしたら、痛いほうが良かったのか・・・」。
強い風にも苦しんだ。
「アゲンストが続く前半、なんとか我慢でと思ったけど我慢できなかった」と5オーバーで折り返した後半も「17番はスプーン、スプーンで打っても届かなかった。今日は物理的に厳しかった」と挽回も厳しかった。
唯一のバーディは2日目にトリプルボギーを打たされ「リベンジ」を誓っていた最後の18番。
「最後、予定どおり獲れたのはラッキーだがもうちょっと、雰囲気を楽しみたかった。自分のことで精一杯で周りを見られなかった」とひとしきりの反省も、ひと息ついたら宮里も、やっぱりついモニターに目をやり「・・・タイガーは、ダボ打ったの?」。

優勝争いを繰り広げていたウッズはしかし11番で、2打目からショットのミスが続いて、4オン2パットのダブルボギーを打った。
次の12番はティショットのミスからボギーを打ち、後退した。

優勝は、ウッズと同組で回っていたフランチェスコ・モリナリ。母国イタリアに、初のメジャータイトルをもたらした。
ウッズの復活Vはならなかった。
しかし6位タイは2013年の今大会以来となるトップ10入りを果たして兆しの足音を、確かに聞かせてくれた。

「トレーナーの見解では軽い筋断裂。来週行ってみて・・・ダメなら一度帰って検査を受けます」。宮里も、しっかりと治してから欧州ツアーに再合流しても遅くない。
  • 宮里は、腰痛に苦しみながらも戦い抜いた。
  • 第147回の優勝はモリナリ。今月のセガサミーカップで5年ぶりの3勝目を飾ったケネディと、同じメンタルトレーナーに師事して母国イタリアに初タイトルをもたらした

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