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ダンロップ・スリクソン福島オープン 2014

福島県出身、佐藤圭介も「元気と勇気を届けたい」

ちっとも復興が進まないふるさとの様子には、里帰りのたびに心が痛む。何かと原発の話題が真っ先に持ち上がるここ福島県だが、大津波の爪痕も深刻で、「3年前と、ちっとも変わっていないんです」。

当時、第一報は千葉県の鷹之台カンツリー俱楽部で聞いた。所属コースで練習中に自身も大きな揺れを感じ、その後、ふるさとの被災状況を知り、家族の安否を確認しようにも、連絡さえ取れなかった。
丸1日、まんじりともせずに過ごした。

幸いみな無事だったが、ほぼ半壊の実家の様子を聞いても、常磐道は閉鎖され、帰郷することもままならずに1年が過ぎた。

夏のこの時期は、海水浴に通った久ノ浜海岸。「何もかも流されて、何もかも、なくなっていた」。ショックだった。「ひどいことになっていて、胸が痛かった」。
あれから3年が過ぎても、復興はなかなか進まず、佐藤の胸の痛みは消えることがない。

それだけに、2月にこの「ダンロップ・スリクソン福島オープン」の開催が決まったとき佐藤には、この大会への出場が今年のひとつの大きな目標になった。

昨年12月に行われた出場優先順位を決める予選会「ファイナルQT」のランクは45位で、当時はやや厳しい状況だった。「前半戦で良い成績を出して、ぜひ出たい」。7月のセガサミーカップで出場優先順位の組み替えが行われて、ランク18位に昇格して晴れて権利を得て改めて思うのは、「ゴルフで元気と勇気を届けたい」。

愛する人のためにも頑張る。3月に入籍した広子さん。そのあとすぐに、妊娠が分かって12月に出産を控える愛妻と、次週には挙式を控えて、「いいところを見せたい」と、なおさら気合いが入るご当地プロだ。

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