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フジサンケイクラシック 2017

ゴルフ界の大野くん!? ルーキーの伊藤有志が初のトップ10入り

初めての富士桜で、ルーキーにはなおさら嬉しい67だった。「ボギーなしで回れたことは、めちゃくちゃ自信になる」と、22歳の伊藤。

そもそも、今季QTの資格で参戦中の伊藤はこの大会に、出られるとも思っていなかった。夏のリランキングで出場優先順位を31位に上げたことで、ぎりぎり滑り込んだ舞台は、ツアー最長のモンスターコースと呼ばれる。

身長は、中学以降に「伸び悩んだ」と166センチ。「飛距離は出ない。魅力はないが、曲がらない。ボギーを打たないゴルフを」と最終日にこそ、真摯な気持ちが難コースにハマった。

この日は“裏街道”のインコースから出て、後半の5番は距離の長い最難関のパー4で、絶体絶命のピンチも切り抜けた。

刻んで、80ヤードの3打目も乗らず、「最悪ボギーで」と、覚悟を決めた8メートルものパーパットは「まっすぐ」と読んだラインに、みごとに乗った。
渾身のパーセーブで7位タイにつけて、自身初のトップ10入りを果たした。

ときどき、嵐の大野智さんに似ていると言われるジャニーズ顔は、周囲に芸能界入りを勧められたこともあるが「絶対に嫌」と、10歳からゴルフを始めてプロを目指した。

松山英樹は、名門・東北福祉大の3つ先輩だ。「ゴルフのスタイルが違いすぎて・・・。見るだけ」とスケールの大きさを仰ぐばかりも「ゴルフに対するストイックな姿勢は勉強になる。本当に尊敬してます」。
先輩は、アメリカでも日本ツアーの成績をチェックしていてくれるそうで、気が抜けない。

今年は、主戦場のチャレンジトーナメントで来季の出場権を確保するのが目標だったがレギュラーツアーは自身6戦目の今週、自分でも思いがけないゴルフに色気が出てきた。
「松山さんからまた連絡がもらえるような、活躍が出来たらいい」。
富士桜での健闘が、ゴルフ界の大野くん(?!)の心に火をつけた。

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