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〜全英への道〜ミズノオープン at ザ・ロイヤル ゴルフクラブ 2018

ゴルフ界のマサル。高橋賢が1打差2位に

ついに8007ヤードの舞台が整えられた。まだ誰も見たことのなかった怪物が全貌を現した。超・最長コースで、どの選手も青息吐息の大会3日目。

ひとり「平穏無事な1日だった」と、聞き捨てならないことをぽつりと言った。「賢」と書いて「まさる」と読む。自身5試合目、今季は初のレギュラーツアーで、3日目もまた首位と1打差の2位タイと粘った高橋。
「親に由来を聞いたことはないんですが、賢い人になって欲しかったんではないでしょうか」と、のんびりと笑った。
「どちらかというと、せかせかするのが嫌い」と長い距離に加えてこの日もまた強風にも、慌てる素振りもなく淡々と、2ボギーの74で上がった。

9番では「あんなに深いラフから打ったのは初めて」と2打目を池に入れても打ち直しの4打目は、185ヤードから5番アイアンで、1.5メートルにつけて「相当ナイス」なボギーに収めた。
「今日は最後のホールでパットを外したので10点マイナスでも、90点くらいのゴルフが出来た。粘れるところで粘れた」と持ち前の我慢強さを発揮した。

幼少期はサッカーやバスケなど様々なスポーツに親しんだが、地元神奈川県にある中高一貫校の必須授業で体験したゴルフが気に入った。
「団体競技にちょっと疲れていたし、一人で静かに練習できるのがいい」と黙々と腕を磨いて2008年にプロ転向。

日本ツアーでの実績はまだないが、4年前から修行場を求めてアジアンツアーの2部ツアーに参戦。2勝の経験を持ち、昨年の同ツアーで賞金ランクは2位に入るなど、海外での経験は豊富だ。

難コースでのV争いも「緊張しない人はいない。今日も高まってきちゃうのかなと思ったけれど。ラウンド中も、もっと凄いアップダウンがあるかなと思っていたけど、意外とそれほどでもなく。緊張したほうが、落ち着いてプレーが出来るのかもしれない」。
いよいよ日本のレギュラーツアーで初の最終日最終組では、土曜日のそんな実感が、大きな支えとなるはずだ。

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