記事

ANAオープンゴルフトーナメント 2013

今野康晴は「輪厚をどうにかしたい気持ちは強い」

最終18番は、ティグラウンドで輪厚の強烈な向かい風に遭って、しばらく打つのをためらったほど。しかし、いっこうにやむ気配もなく、意を決して立ち向かったが、アゲンストの風に、「少しスイングのリズムが速くなったと思う」。
大きく左に曲げて、ボールは木の根元へ。地面はカチカチのライに、「一体、どこに飛んでいくかもわからず」。いちかばちかで、グリーンに向かって振り切ったが、何本かの木と枝に当たって、パーオンに失敗。最後の最後に3オン2パットのボギーを打ったのは痛いが、それまで6つのバーディで、リーダーボードに名前を載せてきた。

今野には、「輪厚をどうにかしたいという気持ちが強い」。輪厚で悔しい思いは人一倍。再三のプレーオフに、負け続けている。2005年は、深堀圭一郎との一騎打ちだった。両者気持ちのこもったサドンデスは、大会史上に残る名勝負として、関係者の心にも刻まれている。
そして、2度目は2007年。タイのプラポールと、篠崎紀夫と3人のプレーオフで、篠崎にツアー初Vを譲ったのだった。

輪厚へのリベンジへの思いは人一倍。しかし、逸る気持ちにブレーキも。腰や、手首に爆弾を抱えるようになって、もうずいぶんと経つ。懸命の治療は続いているが、完治の気配はいっこうに見えず、あのころのように、強気なゴルフはなかなか出来そうにもない。
「思いは強くても、どうにもならないものもあるので・・・」。
40歳を迎えて、さまざまな故障を抱えながらのV争い。いろんな思いも渦巻くだけにに、なおさら「輪厚で、良いスコアが出ると嬉しいので。明日も、今日みたいに頑張れれば」。思い入れの深い舞台で望みをつないで歩いていく。

関連記事