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中日クラウンズ 2015

片山晋呉が首位に並ぶ!!

相変わらずどえりゃー痛い。開幕目前に痛めた腰も今朝は「味わったことがない。凄まじい痛さ」。大会は決勝ラウンドにして「今朝は帰ろうかと思った。朝の練習場で、もう片付けてとまで言ったんです」。

今週、キャディをつとめる江連忠プロに、それこそすがるようにして1番ティに立った。
「どえりゃー大変でした」と、スタートから這々の体も「バーディが痛み止めって、よく言うけど本当にあるのかな?」。半信半疑も会心のバーディ発進に、確かに「あったね」と、大きくうなずく。

1番ホールのスタートをひたすら追いかけるCS放送のゴルフネットワークが“とことん1番ホール生中継”。「・・・僕も、見たかったわ」とまで振り返った1番は朝からすでにカチコチのグリーンにフェアウェイ右サイドから、奥1.5メートルにぴたりとつけてみせた。
2番は右手前のバンカーからこれまた1.5メートル。連続バーディで、強い痛みは去らないにしても、痛みに萎えそうな気持ちをつなぐという意味では大いに効いた。

ショットなら、テイクバックからの切り返しと、インパクト「2度の痛みがくる」。それと、カップインしたボールを拾い上げるという行為。
「かがんでから、さらにまた20センチくらいかがむでしょう。あれがきつくて。申し訳ないけれど、自分で拾ったのは1番ホールだけ。あとは全部、お願いをした」。コーチの江連キャディに拾ってもらった。時折、その腕にしがみつき、痛みにも耐えた。

「今日は本当に必死でした」と手負いのV争いも随所で大会2勝の貫禄で魅せた。12番で、2打目をピン奥につけるOKバーディ。ピンチにも耐えに耐えた。13番ではバンカーから寄せきれず、5メートルのパーパットをしのいで、ガッツポーズを握った。
痛みに七転八倒しながら、ついに首位に並んで、しみじみと思う。
「この位置で、やれることが幸せだ、と」。
今年、掲げた目標は「プロ20年目で、30勝で、20億円」。現在ツアー通算28勝は、生涯獲得賞金20億円まであと約7000万円。「こうして数字でハマる年はなかなかない」と、6度目の賞金王獲りと、来年のリオ五輪と。それだからこそ、オフのオーバーワークがたたったのは反省だが、42歳の欲望はとどまるところを知らない。
「明日はぜひ、3つめの王冠を手に入れたい」。和合で、まずは伝説の第一歩を踏み出す。

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