記事

PGA・JGTOチャレンジII 2005

S.K.ホに続け!崔正圭(チェ・チョンギュ)

ゴルフ界も韓流だ。将来が楽しみな崔正圭。
「本当に優勝できるとは思っていなかったので、びっくり」と驚きながらも笑顔は絶えなかった。プレーオフ1ホール目セカンドショットを残り240ヤード 3wで5,6mに2オン。そこで優勢になったにもかかわらず、相手の髙橋達彦が第2打をグリーン手前にショートしたのを見て、「2パットでいい」と冷静な判断があった。結果、髙橋がパー、崔は「緊張はした」という1mのバーディパットを沈めて日本での初勝利を手にした。

崔は3歳のときに発熱のために難聴になってしまい、100デシベルまでの音しか聞こえない。今は人の口の動きを読んで、いわゆる読唇術で会話を成立させている。小学生のとき、耳がよく聞こえないために勉強もあまりはかどらなかった。そんなとき何か運動したほうがいい、ということでゴルフとの出会いが生まれた。11歳のときだった。それからゴルフの腕はメキメキ上がり、韓国のナショナルチームにも選ばれるほどになった。
ところが99年からスランプに陥る。4年間もがき続けた。韓国の先輩であるS.K.ホと同じトレーナーにつき、体力トレーニングを積んだ。体重が10kgも増え、おかげで飛距離も伸びた。それでようやくスランプを抜け出すことに成功したのだ。

この優勝で来週の日本ゴルフツアー選手権宍戸ヒルズカップの出場資格を得た。金鍾徳、S.K.ホ、Y.E.ヤン、今年初勝利を挙げたI.J.ジャンなどの先輩プレーヤーと同じ舞台に立つことができる。「いや、私はまだあの方たちより全然下なので、いい経験になります」と謙虚に語った。しかし、夢は大きい。「憧れのプレーヤーはタイガー・ウッズ。そしてK.J.チョイ」いずれはアメリカのPGAツアーでプレーしたい。実は4年前に父と一緒に下部ツアーのネイションワイドツアー(当時バイドットコムツアー)を回ったことがある。そのときに「まだ自分には体力的にも技術的にも足りない」と認識し、韓国へ戻った。

かつてS.K.ホもチャレンジトーナメントを転戦して、レギュラーツアーへ上がっていった。
今、また新たな韓国プレーヤーがあとに続こうとしている。

関連記事