記事

日本ゴルフツアー選手権 Citibank Cup Shishido Hills 2010

金鍾徳(キムジョンドク)がホールインワンを達成

前半でせっかくの快挙達成も、上がりが悪ければ、すべて台無し?! ホールアウトするなり、口々に「おめでとうございます!」と、ギャラリーや関係者から声をかけられたが、それとは裏腹に金の表情は冴えなかった。

真っ先に振り返ったのも後半のホールのハナシばかりだ。
11番から14番の4ホールで5オーバー。
ボギーの11番、13番は風の読み違い。トリプルボギーの14番も、「真っ直ぐ」と感じた風が、実は左からフォローの風に流されて、右にOBを打った。

最終18番も、第2打がグリーンをオーバー。寄せきれず、ボギーの上がりにちょっぴり消沈。

日本ツアーでは3回目。母国の韓国ツアーなどを合わせると、自身5回目のホールインワンを達成したのは3番。192ヤードのパー3は、6番アイアンでカップを捉え、ご褒美の100万円を手に入れて、一応は浮かべてみせた笑顔はやっぱり、どこか曇りがちだった。

「いま、ゴルフがあまり面白くない」という。
クラブを握って25年。
モチベーションの低下とともに、「若い子たちに飛距離で20も、30(ヤード)も置いて行かれる」。
以前なら、「よ〜し僕も」とそれがむしろ張り合いにもなったが今月4日の誕生日に49歳。

シニア入りを目前にした今は、諦めの気持ちのほうが勝ってしまうのだという。
それよりも、今は趣味のカメラのほうが没頭出来る。
「良い息抜きです」と、花や景色をレンズに切り取ることに、今は夢中だ。

さて、では、ゴルフの病いに効く薬は??
「そりゃあ、もちろん成績です。優勝出来たら、きっとやる気が戻る」。
今日も一度は5アンダーの首位に立ちながら、後半の失速でイーブンパーまでスコアを落としたが、誰もが苦しむ難コース。
いつもの口癖を、自分自身に言い聞かす。
「ゆっくり、ゆっくり。まだ始まったばかりだし、今日も明日も練習のつもりで、ね」。
マイペースで宍戸を制す。

関連記事