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日本プロゴルフ選手権 日清カップヌードル杯 2010

芹澤大介が「年に一度の会心撃です」

藤池さん(上)とのタッグもピッタリと息があって・・・
出だしの1番で、15ヤードのロブショットをチップイン。さらに3番パー4で、100ヤードの第2打を54度のウェッジでこれまた直接決めて、イーグルを奪った。

絵に描いたようなロケットスタートで、すっかりその気になった。
8番のバーディのあとも、「まったく危なげないゴルフでした」と感嘆の声で証言したのは芹澤のバッグを担ぐ、藤池展久(のぶひさ)さんだ。

今週の“名キャディ”は、熱心なゴルフファンなら名字からお察しのとおり、シニアプロの藤池昇龍(のぼる)氏のご子息。
偶然のタッグだった。
このプロ日本一決定戦に先駆けて、地元・福岡県飯塚市のJR内野カントリークラブで研修生として修業中の藤池さんのもとにも“招集”がかかった。

ここパサージュ琴海アイランドゴルフクラブのコース設計者で大会名誉顧問の藤井義将プロから「キャディとして大会に一役買ってくれ」との打診があり、藤池さんも喜んではせ参じた。
そしてたまたま担当することになったのが、芹澤だったのだが藤池さんにはまさに、当たりだった。
「今日の芹澤さんのゴルフは本当に見る価値があって。良い勉強をさせてもらった」。
言われた本人も、照れまくって謙遜した。
「年に一度の会心撃です」。
さらに2日目以降の目標を聞かれると「まずは着実に予選を通過することです」と、思わず本音が・・・?!

今大会は、大会独自の予選会からの出場だが、今季ツアーはファイナルQT36位の資格で実に、8年ぶりの本格参戦。
元祖イケメンプロとして人気を博した選手も、もう45歳。
「すっかり若い子たちが主流になったツアーで僕も一緒に戦える。その喜びを感じながらやっています」と、爽やかに笑う。

「老体にムチ打ちながら、ね」と、おどけるがどうしてどうして。
オフは静岡県熱海の砂浜で「飛んだり跳ねたり」。自身の体重と、柔らかな砂地を効率よく利用したトレーニングで鍛えたという肉体は、いまだしなやかにしなり、むしろ「若い頃よりも、飛距離が伸びているんです」と、控えめながら胸を張る。

まして「今日は何より、ノーボギーが嬉しいですね」と、確かな手応えに「明日も、さらに貯金が増やせるように、1打1打に集中して頑張ります」と、とつとつと話す風情は年齢など微塵も感じさせず、どこか新人のように初々しかった。



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