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武藤俊憲が6位タイ発進 <全英オープン初日>

昨日までの練習ラウンドは、3日間ともアイルランド海からの重く強い風がコースに吹き付けていたが、今朝はその風がピタリとやんだ。
今日は1日を通して厚い雲に覆われていたロイヤルリザム&セントアンズ。
昼を過ぎると徐々に風が出始め、時折、小雨が落ちる天気となった。
そんな状況の中、14時10分にスタートしていった武藤。
ラウンドを終え、報道陣からの「ナイスプレーでしたね」問いかけに、「いや、良いところもあったけど、トップのスコアが見えていたので悔しいですね。」
この大舞台で、トップと3打差の6位タイにつけながらも満足しないあたりは、5年前から成長した証かもしれない。
武藤は、2006年、2007年と全英オープンに出場している。
「悔しさを感じる前に終わったのが1回目。何か出来ると思っても、2日で帰らされたのが2回目。」
日本国内では4つの勝ち星があるが、海外メジャーではまったく歯が立たない自分がいた。
「全英は3度目だし、今回は何ができるのかを楽しみにして来た。」
5年間の自分の成長を試す意味でも、今日のラウンドを楽しみにしていた。
自分の成長を一番感じることができたのは、セカンドショットの精度だ。
「バーディーパットが打てるところについているので、セカンドショットの精度が上がっているということ。自分のショットが“通用した”ことがすごく嬉しいんです。」
今日は5つのバーディに2つのボギー。確かに、17番も、18番も惜しいバーディーパットを外していたことを考えると、“トップのスコアが見えていたのに悔しい”のコメントにもうなづける。
武藤は、普段から冷静沈着なプレーをするイメージがあるが、この大舞台でもそれが変わることは無い。
「メジャーだからといって、ゴルフをすることに変わりはないし、力んでも上手くいくわけないですから。」
このようなコメントをサラッと言ってみせるあたりもまた、この5年間で成長したところかもしれない。
今回の遠征は、飛行機の機材トラブルで、イギリスに入るのが1日遅れた。
「正直、ここまでコンディションが上がると思わなかった。」
他の日本人選手よりも、練習ラウンドの数は少ない方かもしれない。
そんな状況の中での好発進。
「今日は自信になる1日でした。」
そう言った表情は、充実感で漲っているように見えた。
「状況判断が冷静に出来ていることも良い要因だと思います。」
自身3度目の全英オープン初日で、何か大きなものを掴んだのかもしれない。

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