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つるやオープンゴルフトーナメント 2012

片山晋呉が首位発進

今週は、賞金王がさっそく初日から仕掛けてきた。開幕戦Vを獲り損ねた先週。最終日を首位でスタートしながら、最終組の3人で牽制し合ってゲームは膠着状態。「その間に行かれた。あれをやられちゃあ仕方ない」と、ジョーンズの逆転Vにもさばさばと白旗を揚げていた片山が、週が変わってさっそく初日からリベンジの62は、「もう十分でしょう」と、本人も大満足の大会レコードタイ記録をマークした。また18ホール20パットは、自己ベストを更新した。

「特にハマった感じじゃなくても優勝争いは出来るんだな」。
結局、4位に終わった先週の初戦で得た手応えだ。

「オフに変えてきたことを先週は手探りでやって、これで大丈夫なんだなあ、と」。
非力な女子プロが、少しでも飛距離を稼ぐためにする腰の動き。先週も言ったように、「インパクトの時に、腰を開きたいんです」と、実際に北田瑠衣プロや諸見里しのぶプロのスイングを参考にして、開幕から2週目にして「やろうとしていることと、スイングと、球筋と気持ちが揃ってきている。スイングに魂が乗るような、そんな感じ」と、確信めいた台詞も飛び出した。

この日も特に絶好調だった、というわけではない。それでも、10バーディ(1ボギー)が出せる。常勝時代のゴルフが再び目覚めようとしている。

2009年のマスターズで日本人最高の4位につけたあたりから、目に見えてやる気を失った。「これ以上、何をすればいいの?」と自問自答する日々が続いた。5度の賞金王に、永久シードの25勝も達成して、幼少期に見ていた夢をすべて叶えたあとは、虚無感しか残らなかった。

「これ以上、何も出来ない」。
あれほどまでに、上だけを見てきた男が投げやりになったこともある。
「3,4年前までは、ほんとそんな感じでした」と振り返る。

それでも、今季は特に弟子の冨山聡の存在を励みに、トレーニングひとつにしても、「聡が10回でギブアップしたことを、俺は11回頑張るとか。そういうのを1個ずつ、少しずつ、あきらめないで、腐らないでやってきたことでようやく、・・・ほんと、ようやくですよ」。

目標さえ見失った男が、ようやくまた夢を語れるようになってきた。
「具体的に何かをいえるほどではないけれど。マスターズにまた出たい、というのもそう。もう一度、賞金王、という気持ちもちょっと出てきた。毎週、優勝争いをしたいと思うようになった」。
完全復活は、もう目の前にあるといってよさそうだ。

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