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JCBクラシック仙台 2003
『こんなゴルフが毎日できたら』1日3度のチップインで3位タイ浮上、中川勝弥
先週、それを師匠の高橋勝成に、指摘された。「プレー中の歩き方まで、早くなって いるぞ!」
その人柄に惚れ込んでデビュー当時から指導をあおぐ高橋に、普段から耳にタコがで きるほど聞かさ れてきた言葉。「どんなときもプレーリズムを一定に」。しかし成績が出ない焦りか ら、それも、最 近は忘れがちになっていた。
ミスが続くと知らず知らず、ホール間を歩く速度も早足に、姿勢もうつむきがちに なっていた。スイ ングリズムも早くなり、ミスがミスを呼び、悪循環を繰り返していた自分のゴルフ を、師匠に言い当 てられたのだ。
。 初シード入りを果たした今季はトッププレーヤーとラウンドする機会も増えた。
「上で戦っている人ほど、いつも同じ歩幅、一定のリズムを保ってプレーしている。 だからミスして も立ち直りが早い」ということを痛感してきた。
自分もそうありたい、と思ってきたのに、「・・・やはり、いつも強く思っておかない と、人間て、ダメ なんですねえ」。
再び意識して「いち、に、さん」と頭の中でカウントしながらラウンドするように なったら、「特に アプローチに良い影響が出るようになった」と、まずは、16番でピンまで8メートル の奥カラーからの アプローチをチップインでパーセーブ。後半の4番パー5では、30ヤードの第3打をサ ンドウェッジで 直接入れて、イーグル奪取。8番では、手前30ヤードのバンカーショットを放りこ み、「こんなの初め て!」と本人も目を丸くした1ラウンドで3度の“チップイン”を、呼び込んだのだっ た。
この日は、最終ホールまで、スコアボードを見ていなかった。だから、自分が午前ス タート組のホー ルアウト時点で、トップに立っていることさえ、気がつかなかった。「それくらい、 集中していた」 と中川。「こんなゴルフが、毎日出来たらいいのに・・・」
真価が問われるのは決勝ラウンド。優勝争いでも、「いち、に、さん」を貫ければ 「本物」(中川)だ。